【Japan Drone 2016レポート】春原久徳 セキュアドローン協議会会長インタビュー(後編)「ドローン開発を活発にする環境づくりを」/ジョーシス

  • 2016/4/5
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2016/04/05

ドローンがさまざまな業務の場面で利用されるにつれ、重要となってくるのはドローンを制御する、航行制御ソフトウェアの開発力だといわれています。

そこで、国内において、ドローン制御のソフトウェア技術者を育成するために「“ドローンコード ジャパン”プロジェクト」を立ち上げた経緯を、セキュアドローン協議会会長でドローン・ジャパン株式会社会長の春原久徳氏にお話を伺いました。

この記事の目次

オープンな開発環境で、ドローン制御技術者を増やす

ジャパン・ドローンでのセキュアドローン協議会のブース

ジャパン・ドローンでのセキュアドローン協議会のブース

―――「ドローンコード」とはどういうものなのですか?

「これまでドローン開発というとハード優先で考えられてきました。時に機体や、ドローンの機体・航行制御を行うフライトコントローラの分野ではDJI社が圧倒的なシェアを持っています。最近、DJI社でもプログラミングが可能なドローンとそのSDKをリリースしましたが、あくまで同社のフライトコントローラ専用であり、ほかのフライトコントローラには対応できません。その一方で、最近注目を集めているのが、オープンOS(基本ソフト)で知られるLinuxファウンデーションが支援するDronecode Foundationが提供する『ドローンコード』です。これまで複数のプロジェクトで開発されてきたドローン関連のオープンソースプロジェクトを統合し、自律航行やドローン用アプリケーション開発用のプログラムキットやツールを整備したものです。3D Roboticsやインテル、クアルコムなどのドローン関連企業に採用され、急成長しているプロジェクトです。オープンソースのため、自社製品やサービスに取り込むことが可能で、今後大きく広がるドローンソフトウェアの開発需要を支えるものと期待されています。」

―――ドローン・ジャパンとしてはどのような取り組みをされるのでしょうか?

「ドローンコード開発を通して、世界のドローンハードウェアメーカーに開発支援を行なっているJapan Drones社代表のRandy Mackay氏とともに、日本におけるドローンコードの普及活動として、“ドローンコード ジャパン”プロジェクトをスタートしました。その第一弾として、この5月より『ドローンソフトウェア エンジニア養成塾』をスタートします。これは、さまざまな産業においてドローンを利活用するための、オープンソース・ソフトウェアの技術者育成が目的です。座学と航行演習を通じて、実際のドローンソフトの開発や、ドローンコードを使って自ら開発した航行制御プログラムを使って実践的なドローンソフト開発技術を学ぶことができます。」

春原久徳氏

2020年のドローン市場は1138億円に

「2015年度の日本におけるドローンの市場規模は104億円でした。2016年度は191%の199億円と見込まれています。そして、今後は加速度的に市場が広がり、2020年には1138億円に達すると見ています。実はこの数字もかなり保守的に見ていまして、個人的には実際にはもっと伸びるだろうと考えています。」

「今は空撮、そしてセキュアドローン協議会で取り組んでいる農業分野など一部の市場しかありませんが、今後、測位技術や屋内での制御技術の進展などにり、社会インフラなどの保守点検、測量、精密農業、防犯、物流など、屋内外問わず、3次元の技術が必要とされる分野での利用は拡大していくでしょう。そして、そのためには、画像解析や群制御(複数ドローンの同時制御)などのより高度なアプリケーション開発やクラウド連携などの技術も必要になってきます。そのためにもドローンコードを軸とした、ドローンソフトウェア開発技術の人材育成と普及は重要になってくると考えています。」

春原久徳(すのはら・ひさのり)
セキュアドローン協議会会長
ドローン・ジャパン株式会社会長

元米Wired編集長で“ロングテール”を提唱し、3Dプリンタの爆発的普及のきっかけとなった“Makers”著者で知られるクリス・アンダーソンは、現在米最大手のドローンメーカー3D RoboticsのCEOを務めています。春原さんがドローンに関わるきっかけは、このクリス・アンダーソンの動きにあったといいます。LinuxがOSの世界を変えたように、オープンソースのドローンコードが、ドローンの世界を変えて行く日もそう遠くないのかもしれません。

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