今だからあえて聞いてみる「そもそも情シスって何?」

拝啓、「情シス」の皆様。
デジタルトランスフォーメーション(DX)や働き方改革で、今まさに変革の時代にある情シス。情シスの情シスによる情シスのための『情シスNavi.』では、昨年実施した”情シス一斉調査2019”の結果を踏まえながら、情シスの実体とこれからの時代の中で求められる役割を掘り下げてみたいと思います。

「情シス」とは、「情報システム部門」のこと→当たり前か!

サイト名からしてそのまんま「情シスNavi.」という当サイト、ご覧の方々はきっと“情シス”に何らかの関係のある方々であることでしょう。
しかし、「情シス」という肩書がすっかりなじんでいるものの、日ごろの業務に追われる中「これも情シスの仕事でしょ」なんて思いがけない作業を振られたり、業務サイドの同僚に「情シスってさ、何やってるの?」と悪気なく聞かれたりした際、「そういえば情シスって何だっけ……?」とふと疑問に思うこともあるのではないでしょうか。

ここでずばり再確認しましょう。「情シス」とは、「情報システム部門」のことです!当たり前か!w
今回は、“情シスそもそも論”として、情シスの業務や実際の姿、これからの新しい時代に求められる役割について解説します。
先日行われた情シス一斉調査2019の結果も交え、鏡を見るような気分で真の情シスの姿を見つめ直してみましょう。鏡の向こうに、あなたも気づいていなかった新しい姿が見られるかもしれません。

情シスの役割は?

情シス=情報システム部門とは、企業・組織の中で情報またはシステムに関する業務を担う部門のことです。
業務にパソコンやタブレット、スマートフォンを使用するのは当たり前となり、業務システムを導入したりクラウドサービスを利用したりすることも多くなりました。 情シスは、こうした業務を行うために必要なパソコンなどの端末やインターネット・ネットワーク環境を用意し、セキュリティ対策等を含めて、従業員が快適かつ安全に使えるように業務環境を整えることがその役割となります。

IT企業のみならず食品業界や小売、製造業と分野に関係なく存在する業種で、IT資産管理とシステム利用のサポートを行い、その組織内ではいわば通常業務の下支えとなる立ち位置です。

情シスの業務内容は?

情シスの業務は多岐にわたります。ざっくり分けると、(1)業務システムの運用、(2)IT資産管理、(3)セキュリティ管理 といった業務があります。

1)業務システムの運用
IT戦略を立てて業務で使うシステムを企画し、実際に構築し、さらに構築後は運用と保守を行います。以下のような業務が含まれます。
 IT戦略企画
 業務フローの把握と改善
 業務システムの企画立案
 製品・ベンダー選定
 構築、ベンダー管理
 保守監視
 更新管理
 品質管理

2)IT資産管理
業務システムに使っているサーバーやネットワークなど機器の管理と、従業員端末の管理、従業員の入館証などアカウント管理を行います。以下のような業務が含まれます。
 IT資産の一括管理
 端末更新対応
 ユーザー管理
 アクセス権管理
 ヘルプデスク・ユーザーサポート
 (業務ツールなどの)マニュアル作成
 ライセンス管理

3)セキュリティ管理
システム上のセキュリティ対策、従業員へのセキュリティ教育、トラブル時のインシデント対応を行います。以下のような業務が含まれます。
 セキュリティ対策の計画と実施
 セキュリティ監査
 プライバシーマークやISMS認証対応
 セキュリティ教育・コンプライアンス対応
 インシデント対応

ただし、こうした業務のどこまでを担うかはその会社、その組織で異なります。上記の業務を全て担う場合もあれば、一部を外部に任せていたり、セキュリティ管理はCSIRTが担うなど他部門と役割分担がなされる場合もあります。
そしてマーケティングやBCP関連業務、最近ではWebサイトを持つ企業が増加したことからWeb担当など、上記にない業務を行うこともあります。

参考ですが、「情シス一斉調査2019」にて情シスの業務を聞いたところ、非常に多くの業務がアサインされていることがわかります。もちろん、一つの会社ですべてを担当するわけではありません。しかしながら、”情シス”の名のもと、会社によって様々な業務が割り当てられる部署であることが伺えます。

 

情シスに期待されるスキルは?

情シスに期待されるスキルは、まずは無事に日々の運用を行うことのできるITスキルと、ユーザー対応のできるコミュニケーション能力です。
上で述べたような多岐にわたる業務を全て一人でこなせるスーパーマンはほとんど実在しないものです。一人で情シスの業務を行わなければならない場合も、ベンダーや外注を使ったり、やることやらないことをはっきりと線引きしたりして運用を進めていくことが求められます。

情シス一斉調査2019から見えた、情シスの今

次にPCNW(PC・ネットワークの管理・活用を考える会)、syszo(ユナイトアンドグロウ株式会社)、ハイブリィド株式会社の3団体が協力して実施した、情報システム管理者に対する『情シス一斉調査2019』のアンケート結果から、情シスのリアルな姿をひも解いてみましょう。

情シスにはどんな人が多い?

情シス一斉調査 2019では、企業・団体等の情報システム部門の担当者にアンケートを実施し回答を得ています。(有効回答数:433)
さてその中で、情シスは91.9%が男性で、女性は8.1%とかなりの少数派でした。
前回、2017年の調査でもほとんど同じ構成比だったことから、情シス業務への女性進出が進んでいないことが伺えます。もっと情シス女子を増やすにはどうしたらよいのか、情シスNavi.ではさらに追及していきたいと思います。

また年齢構成は40代が40.4%とほぼ半分を占め、そのあとも50代が28.7%、30代は18.9%と中堅・ベテラン勢が多数を占めていることがわかります。勤続年数も11年以上が57.3%と、人材流動性は低く、情シスとして長くキャリアを積み上げるというケースが多いことがわかります。

また、アンケートによると、情シスになった経緯としては「社内のITシステムに興味があった」が30.0%、「情報システムという業務が好きだから」が28.2%で1、2位を占め、業務内容が好きと言う傾向があることは救いかもしれません。


また、面白いところではライフスタイルに関するアンケートで、あまり運動をしない傾向や「痩せる必要があると思っている」傾向が高いことがわかりました。
ここから見えてくる情シスの姿は、IT好きな40~50代の(そしてちょっとポッチャリな)男性、という姿のようです。

情シスはどういう働き方をしているのか?

数百~数千台の端末管理と日々のシステム運用の上に、突如降ってくるユーザーからの問い合わせやアクシデントの対応。情シスは担当業務が多く忙しい職業でもあります。
また、情シスの構成比ですが、その企業の社員数の1~2%といわれていましたが、アンケートでもほぼその通りの傾向が見られました。情シスの業務は、前述のように多岐にわたっていますが、それを少ない人数でまわしていかなければならない宿命にあるようです。
また、情シスにはシステム運用・端末管理という現場で物を扱う仕事もあり、昨今増えてきているテレワークという働き方には今のところあまりなじまないというのが現状のようです。(トラブル対応の為に会社にいて欲しいという要求もあるでしょう)

情シスが不足しているってホント?

2018年に経済産業省の発表したデジタルトランスフォーメーション(DX)に関するレポート「DXレポート」で、現在すでに不足しているIT人材の人数が、将来的には43万人の不足にまで膨れ上がるとの記述があり話題になっています。

情シス界にもIT人材の不足がそのまま課題となって降りかかっていると言えます。アンケートでも「課題と思っていることは人的リソース」という回答が65%以上あり、圧倒的な一位となっていました。

年齢構成を見直してみれば、情シスの20代は3.8%とずいぶん少ない数字となっています。情シスとなる人材が増えていかなければ、今の50代が定年となる10年後は圧倒的な人材不足となってしまうでしょう。しかしながら、この数字はアンケートの偏りがあるのかもしれませんので、今後も注意深くその動向を観察していきたいと思います。

未来、「情シス」は「コーポレートエンジニア」?

ここまで見てきたのはあくまでも今までの情シスの姿です。2019年以降、世界中でDXが進む中で、今後“情シス”という役割が大きく変わる可能性があります。
DXとは、Digital Transformationのことであり、単なる今までの業務をデジタル化したDigitalizationではありません。従来の業務をITによって変革し、新しい枠組みを構築する改革のことです。組織がDXを起こすには、事業戦略とIT戦略の融合が重要なカギとなります。ここで情シスが改めて注目されています。
ITによって業務を新しく変えていく役割を今後情シスが担っていくことになるのではないか、という期待がされているのです。
こうした、ITによって業務を刷新することを最近では「業務ハック」と呼びます。このような業務ハックを行うエンジニアを「コーポレートエンジニア」と呼んでいるところもあります。情シス≠コーポレートエンジニアなのか、情シス=コーポレートエンジニアなのかは定かではありませんが、情シスは現在でも、企業の中でITに精通した立ち位置にいることは間違いありません。 今後は“システム運用屋”という裏方だけではなく、業務のIT戦略立案という役割も担うことで、会社の花形部署となる可能性も十分に考えられます。

情シスの未来予想図

「今でさえ忙しいのにまた業務が増えるの……?」と嘆く情シスの皆さん。嘆くのはまだ早いです。

これまではインフラも端末も物理的に扱う必要がありましたが、今後はそうした機器がサービス化され、情シスの負担が軽くなると予想できます。現在でも、Windows AutoPilotやシンクライアントシステムなどを利用することで端末管理が簡便化できます。
インフラ管理もクラウドに乗り換えれば遠隔で管理操作ができ、情シスが当たり前のようにテレワークするなんていう日が来るかもしれません。

セキュリティに関しても、インシデント対応を自動化できるSOARなどの自動化ソリューションや人の作業を代替してくれるAIが新しく登場しています。そうしたツールを使うことで、情シスの作業負担が減らせることでしょう。未来の情シスは、AIと協力して働くことになりそうです。

実は女性にも若者にもおススメできる情シスという職業

現状、情シスはITに関する業務であることから専門性の高い特殊技能が必要とされるイメージが定着しています。また、人数が少ない部門なので即戦力を求めがちで、経験の浅い若者が二の足を踏んでしまいます。それに、Webサービス開発などに比べれば、職種の聞こえが地味であることも否めません。
言い方は悪いのですが、”敷居が高い・ハード・地味”というネガティブ要素があることで、人材不足に拍車をかけているのかもしれません。

しかしながら、最近では各種サービス・自動化ツールの充実により作業負担が減らせ、ローコード開発ツールなども登場し、情シスに求められるスキルは、“ゴリゴリのシステム運用屋さん”から“コーポレートエンジニア”、もう一歩進めば“コーポレートITコンサルタント”といった業務に変わってくることでしょう。そうなれば、情シスに求められることが、ITの知識レベルよりもどうITツールを活かして使うかといった企画・デザイン思考に変わり、よりクリエイティブな職種となってくるのです。

そんな意味でも情シスは、実は経験の浅い若手や女性にも挑戦しやすく、将来の可能性を秘めた想像以上に魅力的な職業なのです。

 

【執筆:編集Gp 星野 美緒】

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