マイナンバー制度って何だ? -「消えない年金」と「未納企業」の素早い特定 -

  • 2015/10/2
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2015/10/02
ビルイメージ

マイナンバー制度の必要性が大きく言われるようになったのが、世間を騒然とさせた「消えた年金」問題だったとされています。これだけでも勿論大きな問題ですが、その対策過程でさらにとんでもない事実もわかってきました。現在の年金制度だけでは対応しきれないこの問題を紹介しながら、マイナンバー制度の意義について見ていきましょう。

 

「消えた年金」問題により浮かんで来た驚愕の事実

 

マイナンバー制度が必要だと「共通番号制度」がにわかに浮上してきたのは、2007年に起きた「消えた年金」の問題がきっかけです。転職をすると企業年金の番号が変わる。結婚して姓が変わる。転居して住所が変わる。こういう際に年金番号や個人を識別する情報が次へきちんと引き継がれていると思っていたのが、実は、記録が整理されていませんでした。だれがどれだけ年金の支払いをしていたかが、分からなくなったのです。
それで一生使い続ける固定番号をつくり、2度と年金情報が消えないようにしよう、とマイナンバー制度の創設になったわけです。

ところが、「消えた年金」の対策の過程でとんでもないことが分かってきました。「年金が払われていない」とされた国民が、古い給与明細書を探し出して支払ったことを証明しようとした際、その中であ然とする事実に直面した人が少なくなかったのです。

 

未納者になってしまう事を防ぐ不正の抑制力に期待

 

年金は雇用している会社が給料から天引きして年金機関に払うことになっています。給料明細からは天引きされているのに会社が支払っていなかった、というケースが多数、見つかったのです。企業は年金機関に払うために預かったその金を、会社の資金繰りに使ってしまっていたのです。一時的に流用するつもりだったのが、資金調達ができずに未納になっていたのです。もちろんそんな事は、年金支払い者は知りません。そこで納めていたはずなのに「未納者」、として取り扱われているという事実に愕然とする事になったのです。
マイナンバー制度は、このような会社をすぐに割り出すのに利用する、と言います。新聞報道によると、「負担能力があるのに厚生年金保険料を国に納めていない企業を17年から迅速に割り出し、効果的な督促や強制徴収につなげる」との狙いがあるようです。これにより未納企業を減らしていこうという訳です。

このようにマイナンバーは、「消えない年金」を実現して国民が安心できる社会を目指すとともに、こうした不正に対する強い抑制力が期待できるのです。

 

社会保障と税の共通番号化を実現し、未納を防ぐ取り組み

 

従来の年金制度でけでは対応しきれなかった穴を埋め、信頼性を高めていく事こそがマイナンバーの出発点と言えます。
「厚生年金保険料の未払い企業を迅速に割り出す」のに役立つのが、自治体の持つ所得情報です。マイナンバー制度は「社会保障と税の共通番号」と言えます。つまり年金と税金のデータを共通番号で統合して把握するのが目的にあるのです。企業から提供される源泉徴収データの明細にある年金徴収額と企業が代行徴収して実際に払った金額を比べれば、「未納」の金額は明白になっていきます。

中島 洋
1947年生まれ。東京大学大学院修了。73年日本経済新聞社入社、88年から編集委員。日経コンピュータ、日経パソコンの創刊にも参加。慶応義塾大学教授や日経BP社編集委員などを経て現在、株式会社MM総研代表取締役所長。日本個人情報管理協会理事長など多くの肩書を持つ。

 

所属:株式会社MM総研

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