使える! 情シス三段用語辞典43「アジャイル」

2017/04/19

常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなるとさらに難しくなります。本用語辞典では数々のIT用語を三段階で説明します。

一段目 ITの知識がある人向けの説明
二段目 ITが苦手な経営者に理解してもらえる説明
三段目 小学生にもわかる説明

取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?

一段目 ITの知識がある人向け 「アジャイル」の意味

「アジャイル」は、英語の「agile(敏捷、すばやい)」という意味。これから転じて、短期間でソフトウエア開発を行う手法を指す。具体的には、「イテレーション(iteration)」と呼ばれる「設計」「試験」「調査」「改善」の工程サイクルを何度も繰り返し、スピード感をもって顧客の要求に近づける。

これまでIT分野の開発手法は「ウォーターフォール」と呼ばれ、顧客からの当初の要求を忠実に守り、仕様通り段階を踏んで進めるものが中心だった。しかし、現在のようなビジネス環境の変化が激しい時代には、従来の手法では機敏さに欠け、要求の変化に対応できない部分も出てきている。そこで、開発とリリース、修正というサイクルをすばやく回して改善していくアジャイルの手法が注目されている。

二段目 ITが苦手な経営者向け

社長、近年のビジネスの変化は激しいですよね。ちょっとの間に新しい技術が登場したり、お客様の要求が変わったりしてしまいます。

本来、システム開発は、最初にお客様の要望をすべて伺って、きちんとした設計図を作り、ひとつひとつの段階ごとで、お客様に確認してもらい、OKをいただきながら最後まで開発を進めていく。そうして、最後に完ぺきな製品ができ上がる。そんな手順を踏んで進めるものでした。

しかし、現代のようなビジネス環境の変化が激しいと、ひとつひとつ段階を踏んで、時間をかけて完成品ができた時には、すでに世の中のトレンドから離れてしまっている、ということも起きています。お客様も、最初はその設計図通りでよいと思っていたけれど、途中で変更がきかなくて、「何だかトレンド遅れのものになったな…」ということになりがちです。

そこで、近ごろ注目されているのが「アジャイル」という手法なのです。これは、ひとつひとつの段階ごとに手順を踏んで確認するという方法をとらず、まず一気に全体像を作り上げてしまうやり方です。主に、ICT(情報通信技術)関連の開発で導入されています。

アジャイルでは、多少粗くても、試作したものを利用してみると、実際にいろいろな問題や修正点が分かってきます。それを取り入れて、一気に全体像を作ってしまいます。この手法の特徴は“スピード感”でしょう。いったん完成品を作って、試して、修正して、また作り直すというサイクルをすごい速さで回していきます。だから、市場の変化やお客様の要望が変化しても対応しやすいのです。

三段目 小学生向け

みなさん、もしみなさんがお家を建てるとしたらどうしますか? まず、全体のデザインを決めて、家周りの壁の色を決めて、屋根の形や庭の大きさを決めてと、ひとつひとつを決めて、大工さんや工務店さんにお願いして家を建てますよね。

ただ、家を作るには時間がかかります。もし、もう完成しようかというときに、あなたの気が変わって「部屋がもう1つ欲しい!」と思ったらどうしますか? そのときには「もう無理です」と大工さんにたぶん断られます。また、家ができ上がって住んでみたら「あれ? なんか住み心地よくないな、ちょっと違うな」と思ったらどうしますか? もうどうにもなりませんよね。

いま、世の中ではあなたのお願いを聞いて、ひとつひとつ細かく決めずに、すぐに家を建てしまう仕事のやり方が注目されています。これを「アジャイル」といいます。

アジャイルでお家を建てる場合には、まず家を建てて、あなたに住んでもらって、住み心地、使い心地を確かめてもらいます。そして「うーん、ちょっと台所がこんなんじゃないな~」とあなたが言うと「よーし」といってまた家を作り直します。「壁がこんなんじゃないな~」と思ったら、壁を塗り直します。いったん完成品を作って、あなたの意見や使いやすさの変化に合わせて、少しずつ手直ししていくんです。

しかし、これはもののたとえです。実際に家を建てたり、壊したりするのはこんなに簡単にはできません。でもコンピューターを使ってシステムを作る場合には、「全体をとにかく作ってしまう」「実際に使って直していく」というアジャイルのような「スピード感のある方法が現実的だ」とみんなが思っていて注目されているのですよ。

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