使える! 情シス三段用語辞典45「機械学習」

2017/05/09

常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなるとさらに難しくなります。本用語辞典では数々のIT用語を三段階で説明します。

一段目 ITの知識がある人向けの説明
二段目 ITが苦手な経営者に理解してもらえる説明
三段目 小学生にもわかる説明

取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?

一段目 ITの知識がある人向け 「機械学習」の意味

機械学習は人工知能(AI)の技術の1つで、その名の通り機械が自ら学習する仕組みを指す。

特定の課題を解決するためのAI「特化型AI(人工知能)」が、近年急激に実用化され始めた背景には、ハードウエアが進化し、「ニューラルネットワーク」と呼ばれる脳神経をモデルにした情報処理システムが進歩したことで、ディープラーニング(深層学習)が実用化されたことによる。

特に1つのチップの上に数百~数千のCPU(中央演算装置)を持つGPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット:PCの画像処理装置)を応用したディープラーニングによって、比較的安価なハードウエアでも精度の高い機械学習が行えるようになった。

最近では、IBMの「Watson(ワトソン)」、NECの「NEC the WISE(エヌイーシー・ザ・ワイズ)」、富士通の「Zinrai(ジンライ)」など、人工知能プラットフォームサービスが提供されつつあり、これらのAIでもディープラーニングを使った機械学習が利用されている。

また、グーグルの「TensorFlow(テンソルフロー)」、Preferred Networks(東京・千代田)の「Chainer(チェイナー)」、カルフォルニア大学バークレー校の「Caffe(カフェ)」など、無料で使えるディープラーニングのライブラリが公開され始めており、今後より幅広い分野での機械学習・ディープラーニングを使った特化型AIの普及が見込まれている。

二段目 ITが苦手な経営者向け

社長は「人工知能(AI)」と聞くと、これまで「人間の脳のコピーを作る」というイメージを持っていませんでしたか? このイメージは一般的の人にも強かったと思います。

社長が思い浮かべるような人間と同じようにあらゆることを考えられる人工知能は「汎用人工知能」と呼ばれています。このAIは、昔から研究されてきましたが、「想像」「思考」「感情」などの人間の頭脳を再現するためには、まだまだ未解明の部分もあり、まだまだ実現するのは難しいとされています。

一方で、「囲碁や将棋でチャンピオンに勝った」「新しい病気の治療法を発見した」「ニュースの記事を自動で作成する」といった最近ニュースなどでよく話題になっている人工知能がありますよね。これは「汎用人工知能」ではなく、ある特定の分野の課題だけを解決できるAIで「特化型人工知能」と呼ばれています。

特化型人工知能は、熟練した人の知識や技術を元にして、さまざまな条件に合わせて結論を出す仕組みを人の手でプログラミングすることで実現していました。しかし、これではプログラミングをされた以上のことは不可能で、人間のように「経験」を積んでいくことはできませんでした。

そのため、考えられたのが、機械(コンピューター)自身が学ぶ「機械学習」という方法です。機械学習では、コンピューター自身が、大量のデータの中からよく出現するパターンやルール、表現などを抽出して、ものごとを判断する基準(これを「アルゴリズム」といいます)を自ら作り出します。そして、それを繰り返すことで精度を高めていきます。まさに、人が学習して賢くなっていくのと同じ仕組みなのです。

ただし、機械学習は、あくまでコンピューターがデータとして入力された物事の結果を機械的に分類していくだけです。意味を理解しているわけではありません。最後は人が分類した結果に「意味づけ」をしてコンピューターに教えなければならなかったのです。

そこで、機械自身が意味も学習できるように人間の脳の仕組みからヒントを得た「ニューラルネットワーク」という情報を処理する仕組みを使って、データの「特徴」を抽出し「意味づけ」するようにしました。これを「ディープラーニング(深層学習)」といいます。

機械学習を使った特化型人工知能は、今後さまざまな形で社会に導入されていくと考えられています。特に日本では、少子高齢化などによる労働人口減少による産業力低下の対策として、ロボットやIoT(モノのインターネット)などでの利用に大きな期待が寄せられているのです。

三段目 小学生向け

みなさんが知っているコンピューターは、とても計算が得意な機械です。みなさんの家にあるようなパソコンや、スマートフォンも、実は1秒間に何十億回もの小数の計算ができる力があるのです。

でも、コンピューターは私たちが普通にできる「考える」ということができません。「プログラム」という、人間が作った、たくさんの命令どおりに動いているだけなのです。

しかし、「たくさん計算ができるなら、コンピューターが学べるようにすれば、もしかしたら人間の頭脳のように考えることができるのではないか」と考える人達がいました。そこから考えられたのが「人工知能(じんこうちのう)」というしくみです。

ただ、人工知能は研究をすればするほど、人間の頭脳と同じように考えさせるのは難しいことがわかってきました。一方で囲碁や将棋の打ち方など、ある「決まったものごとだけを考える」ことはできそうだともわかってきました。

そこで、「決まったものごと」専用の人工知能が作られ始めました。この人工知能にはコンピューターが「自分で勉強をする」ためのしくみが入っています。これを「機械学習(きかいがくしゅう)」というんですよ。

「機械学習」が発明されたことで、人工知能は自分自身で学べるようになり、ものすごい速さで賢くなっていきました。そして、今ではいろいろなところで使われるようになっています。そのため、人間がする仕事の一部も人工知能が行うようになるともいわれています。そうなると、なくなる仕事も出てくるので大変なことになりそうです。

でも、今のところ、人工知能は人の心を本当に感じたり、想像したり、ものごとを作り出したりということができません。そういうことが必要とされる仕事はまだまだ人がするものとして残っていくといわれています。だから、みなさんは、これから人工知能を上手に使って、今までにない仕事をすることが大切になるんですよ。

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