情シスのための決裁獲得メソッド 第4回 社長はぶ厚い資料を読んでくれない! 必ず1枚のサマリーを!

2015/12/28

自社の経営トップにシステムの新規導入や改善など社内提案を行なう時、「大きな決裁の壁」にぶつかってしまうことがありませんか? ビジネスには敏感だけどITには詳しくない経営上層部への提案ポイントの入り口をお話しします。

分厚い資料を読む上長のイメージ画像

筆者の経験談をお話しさせてください。ほぼ事実です。あるメディアのコンサルをしていた時、事業部長から「一緒に聞いてくれませんか」と依頼され、大手SIerのプレゼンを一緒に受けることになったのです。SIerの営業担当が話を始め、途中で「では詳しい内容はシステム担当から説明させます」といってシステム担当が配りだした提案書は200ページを超えるものでした。「それでは説明をはじめます」といって、1ページずつ読みはじめます。50ページぐらい進んだ頃に苦痛になってきて時計を見ると1時間経っていました。提案書には、微細なことまで「漏れなくすべて」書いてあり、それを全部読み上げます。事業トップに向けてこんな細かいことを話して何の意味がある、という内容が続きます。(この調子で全部読まれると日が暮れますよ!)そっとささやくと(そうはいっても聞いてあげましょうよ)と返され、地獄のようなプレゼンは3時間半ほどかかりました。横を見ると事業部長もぐったりしています。当然、我々の頭には内容のほとんどは残っていません。採用に至らなかったことは言うまでもないでしょう。

何を言いたいかというと、これと似たようなことを情シスのあなたは社内外でやっていませんか? ということです。社外においては、クライアントに向けて「漏れなくすべて記載した山のようなドキュメント」を手渡す。自社においても、「これに目を通しておいてください」とやはり「漏れなくすべて記載した山のようなPDF」を社長や経営トップに送信する。それで、「すべて読んでおいていただけましたか?」「そこにすべて書いてあるはずですが?」と言っていませんか?

あんなぶ厚い書類なんか全部読めるか! と言われて

別にぶ厚い資料自体が悪いわけではありません。情シスが作成する資料は多岐にわたりますし、どうしても分量が多くなる書類もあるでしょう。あなたが営業のサポートとして客先に出向いて、大幅なシステムの入れ替えの提案などを行なうときは、やはりぶ厚い提案書にならざるを得ないでしょう。ドキュメントはちゃんと提出しなくてはなりませんね。それはもちろん作成して相手にお渡しします。社内でも同じです。ところが、確かに渡したはずなのに、後日、相手から「言ったはずの機能が入っていない」などというクレームが入るわけです。

「ちゃんとそのことについては書いてお渡ししたはずですが……」「いや、あんなぶ厚い書類なんか全部読めるか!」などという不毛な返しをもらったりしませんか? もちろん読んでない方にも困るのですが、向こうがお客さんだったり、会社のトップだったりすると結局「あーあ。しかたねえか」ということになりがちです。そこは、立場的に「こちらがひと手間かけてやるか!」という風に割り切りませんか?

ぶ厚い書類にはいつも1枚サマリーをつけましょう

「ぶ厚い書類にはサマリー1枚つける」というのを習慣にしましょう。一般的には、投資家に出すようなぶ厚い事業計画書には『エグゼクティブサマリー』という要約版をつけます。同じように、大きな提案時はもちろん、お客様や会社のトップなどにぶ厚い書類を提出するときには、「このサマリーに要点はまとめてあります。すみません、ここだけでも今確認してください」と確認してしまいましょう。もし、お客様や会社トップに疑問が生じたりすれば、その場で解決することも可能でしょう。これで「読んでない」とは言わせません。このサマリー作成を習慣づけることによって、知らず知らずあなたのビジネススキルは上がっているはずです。「1枚にまとめる」とは、実はけっこう大変な作業です。よろしければ、下部の「○○○○プロジェクトについてのご提案サマリー」図を参考にしてくださいませ。

下部の「○○○○プロジェクトについてのご提案サマリー」図では、「目的」と「想定メリット」だけはここのテキストを読んでください! その他大事なことを書いておきますが、詳細は別の資料の何ページに書いてあります! というスタイルにしています。

あなたの会社の社長や、あなたのせっかちなお客様がドキュメントを隅から隅までじっくり確認してくれて、その場で適切な質問をしてくださるのであれば、こんなサマリーは必要ないかも知れません。しかし、実際はなかなかきびしいものです。1枚のサマリーを添付して、「1枚で説明されると助かるよ!」と言われるようになりましょう!

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