【情シス基礎知識】メール添付で送れないサイズのデータ、あなたならどう送る?

業務で日常的に行っているファイル送信。メールに添付して送るのは最も簡単な方法だと思います。しかし、誰でも最初はわからないことがあるもので、「なぜだか分からないけど(メール添付で)ファイルが送れない」と困ったこともあったのでは。そこで、今回はメールの添付ファイルのデータ容量にまつわるトラブルの原因とその対処法を解説します!

【ファイル送受信の不思議】送ったはずの添付ファイルが届いていない、らしい

メールとともに欠かせない、ファイル送信。PDF、word、エクセル、JPG、mp3などなんでも送れるので、とても便利。というよりも、そのありがたさを意識しないぐらいにもはや一般的ですよね。

でも、そんなファイル送信で少し困った事態が発生することも。そこで今回は、「ファイル送信」のお話をしましょう。

さて、こんなパターンに遭遇したことのある人はどのくらいいるでしょうか?

“「PDF資料を送信したのに、取引先に届いていない」。ということで再送してみたが、でもやっぱり届いていないようだ・・・。”

システムに問題なければ、この原因の多くは「ファイルのデータ容量」です。

そして、データ容量で気をつけておきたいことは2つ。ひとつは、「1通あたりの容量制限が設けられている」ことです。

送信ファイルが制限を超えてしまった場合、そもそも添付することができません。では、上限はどのぐらいか? というと、これが少々ややこしい。導入しているメールサーバに依存するので、会社ごとに異なります。アベレージとしては「10MB程度*」でしょうか。ちなみに、この制限はGmailなどのフリーメールサービスにもあります。各サービスの容量制限を図にまとめたので、ぜひ確認してみてください。

もうひとつ気をつけたいことが「受信側の容量制限」です。こちらでは問題ない容量のファイルを送ったとしても、「相手の容量上限が小さい」場合、受信されず「送ったはずなのに届いてない」事態に。古いメールサーバを利用している会社では上限「1〜3MB」もめずらしくありません。「相手の容量制限を考慮する」ことも大切です。

上記から、送信ファイルの容量は「2〜3BM」がマナーだといわれています。

*チェックポイント:「1通あたりのメール容量が設けられている」のは、なぜ?
送信されたメールを一時的に保管しておくメールサーバ上の領域「メールスプール」の制限によるものです。この制限は、ループメールや大量の迷惑メールを回避するために設定されるもので、〇〇MB以上のメールを受信しないようにしています。また、サーバ上のメールをクライアント端末にDLしなかったり、削除しない場合、メールスプールがサーバ容量を圧迫します。

・「送信されたはずのメールが届かない」
・「受信が遅い」
・「受信に失敗する」

上記の場合、「メールスプールに大量のメールが保存」されていることが考えられます。サーバ上にメールを保存する設定をしている場合は、メールスプールに溜まったメールを削除しましょう。

 

【各データの容量を知る】そもそもファイルのデータって、どのぐらい?

取引先などにファイルを送信するときは「2〜3MB」を基準することがわかりました。では、普段扱うファイルはどのくらいのデータ容量なのでしょうか?

<ファイル種類別のデータ容量例>

・word:「90KB程度」*文字数3,000文字程度

文字数をかなり多く記載してもデータ容量は小さく、送信時に気にする必要はほとんどない。ただ、「word内に画像を差し込む場合」には注意が必要。仮に文字数3,000文字程度に500×300pixel
の画像を4〜5枚掲載したデータを作成した場合、「500KB〜600KB程度」と容量は跳ね上がる。

・Excel:「40KB程度」*1ページ分の簡易的な表と文字・数字

簡易的な表を作成したデータであれば、word同様にデータ容量は小さい。ただし、ページ数や文字数が多かったり、表に色分けやグラフ、画像などを用いるとデータ容量は跳ね上がる。

・PDF:「数MB程度」*1~2ページ分の簡易的な表と文章

白黒、文字のみであっても、データ容量はきわめて大きく、時に数MBになることも。カラー、画像・グラフ、複数ページであれば容量はなおさら増大。「Adobe Acrobat」やフリーソフト、PDF圧縮サービスで、容量を小さくしたファイル送信が一般的になっている

・JPG:「600KB程度」*2000×1500pixel程度の画像1枚

無設定のまま一般的なカメラで撮影した場合は1枚「数MB」程度。仮に、Webサイト掲載に適した「2000×1500pixel」程度にサイズダウンしても、「600KB程度」とデータ容量はやはり大きい。

・mp3:「50MB程度」*ICレコーダーにて30分程度録音

取材などで30分録音した場合、50MB程度が標準。データ容量はきわめて大きい。

・mp4:「15MB程度」*カメラにて5分程度撮影

音声同様、データ容量はきわめて大きい。取材などで5分録音した場合、容量は15MB程度。映像サイズにより容量は変動するが、数分の撮影で十数MB以上が標準。

2〜3MBでは、ファイル送信は限定される−−

上記からわかるように、2〜3MBでは、送信可能なファイルはきわめて限定的。画像では5枚程度で3MBに達してしまいます。さて、どうすればよいのでしょうか?

 

【圧縮】容量で困ったらまず「圧縮」・・・、なのか?

さて、大きなデータを送るときによく使われる方法が「圧縮」です。もう、おなじみですね。

Windows、Macともに「ファイル/フォルダを右クリック→圧縮を選択」と簡単に実行でき、フリーの圧縮ソフトを使えば、一括圧縮やパスワード付与なども手軽に行えます。

でも、ここで少し疑問です。果たしてデータ容量を小さくしたいときは圧縮がベターなのでしょうか。圧縮はかなり浸透している方法ですが、実は、データ容量をそれほど小さくすることはできません。試しに、画像3点を入れた計2MBのフォルダを圧縮すると、結果は1.4MB。数MB→数百KBなど、劇的に小さくできるわけではないのです。

 

【オンラインストレージ】大容量ファイルは、転送サービスで転送しよう!

画像や音声など大きな容量のデータも当たり前に扱うようになった昨今、ファイル送信は圧縮だけではとてもまかない切れません。そこで便利なのが「ファイル転送サービス」です。

ファイル転送サービスは、メールに変わって送りたいファイルを転送してくれるサービス。メーラーの容量制限に引っかからず、GBといった大容量のファイルでも送信できます。現在さまざまなサービスがありますが、使い方もそれぞれ簡単です。

 

<無料ファイル転送サービス3選>

・『ギガファイル便』

出典:https://gigafile.nu

1ファイル100Gまで転送が可能。ファイルのアップロードはドラッグ&ドロップとらくらく。転送後、サービスが保持するファイル保持期間を選べたり、ダウンロードパスワードの設定も可能。転送の方法はアップロード後に取得できるリンクURLをメールに貼り付け送信。受信者は受け取ったURLからファイルのダウンロードを行う。

 

・『宅ふぁいる便』

出典:https://www.filesend.to

最大10ファイル/300MBまでと、ギガファイル便に比べ容量は小さいものの、メールにリンクURLの添付をする必要はなく、サービス画面上で送信できる。また、「開封通知」や「ダウンロード通知」機能があり、相手がファイルを受け取ったかどうかを把握できるのも便利。

 

・『firestorage』

出典:http://firestorage.jp/

登録不要かつ容量無制限のストレージサービス。転送ファイルの容量も1ファイル10 GBまでと十分用意されている。また、URLを発行して「アップロードスペース」が作成できるのも大きな特徴。複数名でファイルが共有でき、PCだけではなくスマホやタブレットからのやりとりも自在。

この3つのオンラインストレージサービスは、ブラウザから無料で使え、ビジネスユースでも非常に知名度があります。ただ、無料サービスなのでセキュリティ面に不安を感じる人もいることでしょう。そこで、有料サービスも紹介しておきます。

 

<有料ファイル転送サービス2選>

・『Box』

出典:http://www.box-ctc.com/#n02

容量無制限のストレージが用意されていて、1ファイルあたり5GBのファイルまでアップロード可能。プレビュー機能があり、アップロードファイルはダウンロード前に確認できる。また、プレビューのみ、ダウンロード不可、アップロードのみなど権限設定が豊富で、ファイル単位の共有制限を設定できるのも魅力。
*無料トライアル有

 

・『クリプト便』

出典:https://www.nri-secure.co.jp/service/crypto/index.html#abstract

“暗号”を冠したサービス名からわかるように、高セキュリティのファイル転送サービス。AESによるファイルの暗号化とSSLによる通信の暗号化をはじめ、ファイアウォールとIDSによる不正侵入リスク軽減、ウイルスチェックによるウイルス対策、提供会社NRIセキュアによるシステムセキュリティ診断など、さまざまな脅威に対するセキュリティ環境を構築。情報セキュリティ格付けで最高レベルを誇る「AAAis」を取得している。利用時にも上長承認が行える「ダブルチェック機能」を搭載するなど、人的ミスによるインシデントが発生しにくい仕様となっている。
*無料トライアル有 https://www.nri-secure.co.jp/service/solution/crypto.html

 

【これからは】ファイルはメール添付で送る時代ではないのかも?

紹介してきたように、ファイル転送サービスは「データ容量」に対するソリューションですが、実はそれ以外にもメリットがあります。

昨今、中小企業も対象になっているサイバー攻撃ですが、その脅威のなかには、メーラーに向けた「第三者によるなりすまし」や「盗聴」などの攻撃もあります。つまり、メールでのファイル送信は安全とは言い切れないのです。今後も加速度的に進むITの発展とともに、より増えるサイバー攻撃。これを考えれば、セキュリティ面からもファイル送信を見直すべき時期あるといえるでしょう。

送信ファイルのデータ容量で困ったら、ぜひセキュリティについても検討し、自社に適した環境を整備してください。最近では、Office365の「OneDrive」や「SharePoint」など、グループウェアの機能を使ったファイル共有も手軽で、とてもおすすめです。

 

【執筆:編集Gp 坂本 嶺】

2018/08/24

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