【情シス奮闘記】第16回 不動産流通業界に革新を! “不動産×TECH”を支える情シスたち ランドネット

2018/07/25

ランドネットは、不動産投資事業、投資用中古マンションの売買および売買仲介、賃貸および賃貸仲介、賃貸管理などを事業とする。ワンルームマンションにおいては、リノベーションから賃貸管理、入居者募集までワンストップでサービスを提供し、確固たる競合優位性を築いている。そして、これら同社の事業を支えてきたのがITだ。他の業界と比べIT化が遅いといわれる不動産流通業界だが、代表取締役社長・榮章博氏の指揮により、いち早くIT化を推し進めてきた。それに伴い情報システム部門も年を増して規模が拡大。現在、15名(2018年7月時点)の情シスがアプリ開発、システム開発・運用、ヘルプデスクに携わっている。先日も『情シス女子(第40回)』の取材にうかがっているが、“情シス不要論”などもささやかれ、ひとり情シス、ゼロ情シスもめずらしくなくなった昨今、この体制は大きな特徴だ。また、特徴は人材の拡充にとどまらず業務環境にもあり、情シス一人ひとりがパフォーマンスを最大化できる環境が構築されているという。果たして、その情シス環境とは−−。「ランドネットの情報システム部門」について、入社3年目の期待の若手・須貝雄太氏を中心に、川上真澄氏、テロ・マエンランタ氏の3名に伺った。

(取材・文:坂本 嶺)


テクノロジーで不動産流通業界を革新する

ランドネットは、企業目標に「最新テクノロジー活用により、不動産流通業の革新する世界No.1企業」を掲げている。ここからわかるように、同社ではITが事業戦略の中核を支える重要技術となっている。その背景は、近年加速度的に進む産業を横断したIT化への同調ではなく、創業ストーリーにあった。

遡ること20年前。不動産業界に従事していた代表取締役社長・榮章博氏は、ACCESSをはじめさまざまなアプリケーションの登場で、業務に効率化をもたらし、開発言語を知らない自分でも最適な業務システムを開発できることを実感した。加えて、当時より社会課題として懸念され始めた少子化から、今後ITのビジネス需要はますます増えるだろうとの確信も持つ。業務と社会課題、このふたつを解決し得るITを武器として、不動産業界にイノベーションを起こす−−、それが起業テーマとなったという。つまり、当初からITはランドネットにとって、事業に欠かせない技術だったのだ。

情報システム部情報システム課 須貝雄太氏

「経営陣と情報システム部門が疎遠になりがちな企業がめずらしくないと耳にしますが、当社はきわめて近い。榮社長がITに精通しており、アプリやシステムの開発・運用まで、社長から直々にご提案いただくことも多々あります。だからこそ、私どもとしても、率先して提案しやすいのです。そういう環境があるので、情シス一人ひとりが“なにが会社に必要か?”を常に考え、業務にあたれています。」(須貝氏)

 

アジャイル型開発が売上げにも直結

率先して、提案する。それがランドネットの情シスの特徴だ。では、業務ではどうだろうか。

「要件定義を行い、プログラムを組み、検証してリリースする。これは、開発手法のデファクトであるウォーターフォール型開発の大まかな流れですが、当社ではアジャイル型開発を採用しています。スモールスタートで実装とテスト実行を繰り返し、仕様変更にも柔軟に対応しつつ、大きなゴールをめざす。非常にスピードが求められます。」(須貝氏)

同社は、自社システムをスクラッチで開発しているという。そのため、システムの精度はもとよりリリース速度も売上げに直結する。スピードが欠かせないのだ。

 

システムトラブルから身につけた「即時即応」

スピード対応は、開発だけでなくシステム運用にも息づく。当時は大変だったが今となればよい経験だと、須貝氏は入社直後に対応したトラブルについて話してくれた。

「入社2ヶ月目だったと思いますが、システムトラブルが生じました。社員の急増から、売買契約管理や重要事項書類の出力、顧客情報管理の司る基幹システムのDBが許容範囲を超えてしまったのです。業務部門に支障が出て迅速な対応が求められました。そこで、SQLチューニング行い、DBの負荷を下げる対応したのですが、榮社長直々に『数時間以内に改善するように』と指示が飛びました。チューニングは前職でも経験していたので手法こそ把握していたものの、求められるそのスピード感には驚きました。また、情シス全員で一致団結し対応にあたっていたのも印象的でした。結果、改善は当日内に完了し、2日目にはストレッチを持たせ業務を滞りなく行える環境を整備することができました。」

 

“飲みニケーション”が育む「強い情シス」

迅速に対応する。口に出すのは容易いが、その実行には多大な労力を伴うはずだ。現に、先のシステムトラブルも須貝氏、川上氏ともに“苦労した”と話す。だが、マエンランタ氏含め3名とも、いきいきと自分の働きぶりを話してくれ、日々の苦労をおくびにも出さない。それは何故なのだろうか。

「最初のお話のように、榮社長と情報システム部の距離が近いことはやはり大きいと思います。近いというのは、社内のことだけではありません。当社では、情シスの“飲みニケーション”が盛んで、そこに社長もたびたびご参加いただいています。」(須貝氏)

「毎月1回は情シス全員が集まる飲み会があります。あとは自由参加ですが、多い月だと10回ぐらい開催しています(笑)。榮社長とも週1〜2回のペースでご一緒させていただくときもあります。」(川上氏)

「素晴らしいのが、そういった席で、現状の課題や今後必要になるであろうこと、さらに自分がチャレンジしたいことも、社長に忌憚なくお伝えできる環境があることですね。また、私たちが提案すると、『まずやってみてくれ』とおっしゃっていただける。投資対効果よりも、『トライ&エラーで大きなゴールをめざす』ことを重視していただけるので、自然にやりがいが生まれます。ただ、そうであればこそ、責任は大きく絶えず評価も受ける。なので、必ず結果を出すという意識を一人ひとりが持っているのも、当社の情シスの特徴だと思います。」(須貝氏)

 

働きやすい環境だからこそ、必ず結果を出していく

日々の業務に迅速に対応し、なにをすべきかを自ら考え行動する。そんなランドネットの情シスの強さは、経営トップと柔軟にコミュニケーションを図れ、かつ一人ひとりの行動がしっかりと評価される環境にあることがわかった。インタビューの最後に、今後の抱負を3名に語ってもらった。

「現在、基幹システムを刷新するためのプロジェクトに参加しています。2年で全社のシステムの入れ替えを行う大きな計画です。今ちょうど計画が走り出し、要件定義を固めているところで、榮社長にもご参加いただいています。だからこそ、必ずよいシステムをつくりあげる。そこに全力投球していきたいと思います。前職も開発を担当していましたが、当社には情シスが業務に注力できる素晴らしい環境があると感じています。そこに報いるためにも、できる限りのことをやっていきます。」(川上氏)

「変化に柔軟に対応できるIT環境の確立をめざしていきたいと思っています。社員数の増加や事業拡大でも慌てることなく、その時々で、ベストな環境を提案できる情シスであること。それが私の目標です。そのために、ツールやシステム然り、さまざまな情報に目を向け知識を得ることを自分に課しています。」(マエンランタ氏)

「将来的なお話になるのですが・・・、当社に利益を計上できる情シスをめざすことですね。具体的には、不動産流通業界に販売できるシステムを開発したいです。不動産業界のシステムは決して複雑ではありません。しかし、当社の場合、中古マンションを扱うこともあり、多様な契約形態を管理するシステムが求められます。つまり、そこに市場価値もある。売り上げに貢献するのは業務部門のみという常識を、私が率先して変えていきたいと考えています。」(須貝氏)

 

今回のポイント

①経営トップがITに精通
②情シスが自ら考え行動・提案できる企業風土
③投資対効果ではなくトライ&エラー

 


情シス女子 第40回 「情シスが働きやすい環境があります。だからこそ、最大限結果を残したい。」大和田さん/中村さん/石戸さん

今回は「不動産×TECH」を推進し、ITを企業活動の中核に据える株式会社ランドネットの“情シス女子”に注目!頼れる先輩の大和田さん、新人の中村さんと石戸さんに、仕事やプライベートのお話を伺いました。

 

 

 

 

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