【情シス解体新書:Vol.1】情報システムという存在

普段から『情シスNavi.』をご覧いただいている皆様には、釈迦に説法かもしれませんが、本シリーズでは改めて”情報システム”という仕事について考えてみたいと思います。そもそも国内のIT人材は約17万人不足しているという推計もあり、その先の2030年にはITエンジニアだけでも約79万人が不足するという予測もされています。IT人材に限らず、労働力人口低下に備えた”改革”が、今、国をあげて求められています。

 

情シスの原点

国を挙げた改革の一つに”働き方改革”があります。しかしながら、この実現一つをとっても、ITシステムの活用なくして実現できないのが実情です。このご時世、帳簿や予定表、工程管理表などを紙ベースだけで行っている、または業務でパソコン(PC)は使っていないという企業は、ないとは言いませんが、ごくごくわずかでしょう。

企業には最低限PCが存在し、無線または有線でネットワーク(インターネット)につながっています。中には、PCを利用していてもスタンドアロンやクローズドネットワークで利用しているPCもあると思いますが、昨今のビジネス事情を考慮すれば、これも少数派といえます。

このように”ネットワークに接続されたPCを使っている”時点で、企業内の誰かがPCの購入を手配し、そして誰かが回線契約を手配し、また誰かが社内ネットワークの設定をし、さらに誰かが利用するサービス/アプリケーションを手配しているはずなのです。情報システム部門、すなわち”情シス”の原点がここにあります。

(画像:Gerd AltmannによるPixabayから)

 

いまや企業に欠かせない存在となっている情報システムという存在

先に述べたように、今日の企業活動においてPCは不可欠な存在です。多くの企業では、社内外とのコミュニケーションの為に電子メール、またチームで業務に取り組むことから、情報共有などの目的にファイル共有サーバーなど何かしらの社内システムを最低限用意しているはずです。最近ではBOXやslackといったWebサービスを積極的に利用する企業も増え、アカウント管理やセキュリティ対策など、社員個人個人が対処できる状況にはありません。
仮に、すべての社員のITリテラシーが高く、Windows Autopilotで設定してあるPCを渡してしまえば、自主的に企業ポータル内のFAQを閲覧し、各種設定やアプリケーション利用ができる人ばかりだったとしても、PCの調達やデバイス管理、無線ネットワーク構築などはその道の専門家が必要となるわけです。

そして近年では、個人情報保護法への取り組みやGDPR、NIST SP800-171への対応など、業務を通じてのセキュリティを法的に求められるなどもあり、未対応のままでは「入札ができない」、「法外な制裁金が課せられる可能性がある」など、セキュリティ対策は企業活動そのものに大きな影響を及ぼす可能性もあります。

また、働き方改革という錦の御旗の元、「労働生産性の向上」「従業員満足度の向上」などに向けた施策の一つとしてテレワーク/リモートオフィスに各社が注目しています。生産年齢人口(労働人口)の減少をカバーするためには働き方の多様化が求められ、その実現には欠かせない要素なのです。
PCの調達に始まり、セキュリティ対策、経費精算・経営管理などの業務効率化、働き方改革を実現する為のシステム面の改善など、社内システムを支える人(または部署)は企業活動を行う上で必要不可欠な存在になっています。少し大げさかもしれませんが、今や「企業活動を支える存在」でもあるのです。


(画像:Gerd AltmannによるPixabayからの画像)

 

変わらねばならない情シス

一方で、これまで情報システムといえば、”コストセンター”であるとか、”何しているのかわからない部署”などと兪やされてきたことも事実です。どちらに責任があるとは言えませんが、情シスにもプレゼンスが不足していたのかもしれませんし、経営層も理解が足りなかったのかもしれません。しかしながら、企業経営を取り巻く環境が大きく変わっている現在、情シスも今まで通りにやっているだけではダメなことも確かです。月が閉まってレポートが上がってくるのが2週間後。しかも見やすいとは言えないExcelの表。こんな内容では経営層も見る気をなくしてしまいます。

IT環境が大きく変化している今、従来通りのシステム運用中心な情シスの役割に加え、社内ITコンサルタントとでもいうべき要素も求められているのではないでしょうか。”攻めの情シス”などともいわれますが、自社の業務に精通し、現状のワークフローを正しく理解した上で、そこに今の技術で何ができるかのかを考え、導入した際の効果など、いくつもの視点から検討・確認し、導入。導入後も効果測定を行い、次のPDCAを回す。そのような業務も情シスには求められています。

今日現在、情報システム部門が”自社の花形部署”と胸を張れる企業は数少ないかもしれません。しかしながら、情報システムという業務は現代の企業活動においては欠かせない業務であり、システムから会社経営をサポートする”前のめり”な活動が期待されることは間違いありません。
デジタルトランスフォーメーションによってビジネスが大きく変わる今、テクノロジー戦略の重要性が増しているからこそ「情報システムから、経営をリ・デザインする」そんなことが実現できるのかもしれません。

(画像:Michael GaidaによるPixabayからの画像)

 

情シスの業務とは?

それでは、”情シスの業務”とは一体どんなものなのでしょうか? それぞれの企業に応じた情シスの業務が存在するというのもただしいのですが、そうはいっても一般的に情報システムが取り扱う業務とされる項目には共通項があります。

これについては次回のテーマとして取り上げます。

 

DXが叫ばれる今だからこそ、「情シスから会社を変える」本気でそう思い、取り組むことで実現も見えてくるかもしれません。

 

【執筆:編集Gp ハラダケンジ】

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