500社への調査から見えて来たスマートデバイス導入の現状と今後 -スマートフォン・携帯電話編-

2015/09/28

企業のスマートデバイス導入 現状と今後 スマートフォン・携帯電話編

企業のビジネスシーンで、利活用が進むスマートフォンやタブレット。MM総研調べ(2014年11月)では、3社に1社の企業がスマートフォンを、5社に1社の企業がタブレットを社員に配布していると回答しています。中小企業に多いと想定される個人保有の端末の活用を含めて考えれば、スマホやタブレットは実際にはこれより多くの企業に活用されていると考えて良さそうです。
MM総研の調べでは、2014年度に国内で出荷されたスマートフォンは2,748万台。そのうち法人向け出荷は、約200万台と全体の7%程度です。しかし、スマートフォン市場全体は、13年度から見てほぼ横ばいであったのに対して、法人市場は二けた以上の成長をしており、法人が従業員に配備するスマートフォンは今後も堅調に増加していくものと考えられます。
ただし、現状の調査結果を見ると、導入している企業の数自体は、31.4%で前年の調査結果から1%しか増加していません。しかしスマホを導入した企業の今後の従業員配布率は5.5%から3年後には12.5%と増加していく見通しです。要するに導入する企業の裾野はあまり広がっていないものの、導入している企業は順次スマホ比率を上げていくという傾向が見て取れます。
この背景には、スマートデバイスや携帯電話等を含むモバイル機器の導入に際し、多く企業が情報漏えい対策に関して悩んでいるという実情があります。携帯電話やスマホの導入理由、逆にそれらの導入阻害理由を上げてもらったところ、皮肉なことに導入理由では「個人持ちこみ端末からの情報漏えいを防ぐ目的で法人主導で端末を配布」がトップであり、一方導入阻害要因も「モバイルデバイスからの情報漏えいに対する懸念」がトップとなりました。
情報システム管理部門が、ビジネスの競争力に直結するためスマホや携帯をどんどん利用したいと考える事業部門と、ガバナンス観点から情報漏えいリスクを徹底的に排除せよとする経営部門の板挟みとなっている情景が思い浮かんで来ます。

 

情報システム部門へのヒント

経営部門には、当面情報漏えいを管理する技術でできることやできないこと、ITライフサイクル全体への理解をしてもらうこと、事業部門には活用におけるリスク、メリット双方の理解をしてもらうことが必要となるでしょう。
ITの運用標準であるITILの最新Verでは、情報システム部門にビジネスイノベーションセンターとしての役割が求められるとしています。スマートデバイスの導入には、まさに情報システム部門にITILが指摘するようなイニシアティブを発揮することが求められているということになるでしょう。

 

※株式会社MM総研では、キャリア別の購入ルートなどを含めたこの調査に関するすべての回答結果をマルチクライアント・レポートとして提供しています。
従業員数や業種別データも掲載し、すぐに業務に生かせるデータになっています。

■参考
法人ユーザーにおける携帯電話/スマートデバイスの導入配布状況・ニーズに関する調査(2015年度版)

 

 


■法人ユーザーにおける携帯電話/スマートデバイスの導入配布状況・ニーズに関する調査(2014 年度版)

 

1.調査対象:従業員数100人以上の大手・中堅企業及び学校・医療福祉法人の総務部門
2.調査方法 :Webアンケートによる
3.調査期間 :2014年11月7日(金)~11月12日(水)

回答者属性
4.回答件数:500社(500人) ※1社1回答
※この他に、比較用として従業員数10人以上100人未満の中小企業244社(244人)も調査し、合計で744社の結果を分析。

5.従業員数属性:5,000人以上17%、3,000人以上5,000人未満5%、1,000人以上3,000人未満17%、500人以上1,000人未満15%、300人以上500人未満12%、100人以上300人未満35%
6.業種別属性:建設7%、製造26%、流通8%、金融6%、通信・IT関連サービス4%、サービス27%、学校・医療福祉18%、その他3%

 

 

中村 成希
株式会社MM総研 執行役員研究部長。
1998年同社入社後、一貫してパーソナルコンピュータ、サーバの市場調査・研究に携わる。近年は、スマホ、タブレットといった新規デバイスの活用方法、クラウドサービス等、サービス化されたプラットフォームとデバイスの連携にまで研究範囲を広げている。

 

所属:株式会社MM総研

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