BC Vol:05「ブロックチェーン界のスター『イーサリアム 』の∞ 」

2018/07/20

イーサリアム がブロックチェーン応用に火を灯しました

以前にも何回か触れてきた「イーサリアム 」。暗号通貨でもおなじみですが、ブロックチェーン界隈でも有名。もしかしたら、産業界でもっとも期待値のあるブロックチェーンかもしれません。なにがそんなに魅力なのか? 今回はイーサリアム
の歴史をおさらいしつつ紹介していきましょう。

まず、誕生について。イーサリアム はビットコインのファンであった「ヴィタック・ブリテン氏」により構想され、開発されました。

父から紹介されたのを機にビットコインにのめり込んでいったというブリテン氏は、ビットコイン・コミュニティでの活動、世界中のビットコイン・プロジェクトを巡る旅を経て、あることに気づいたといいます。

それは、「暗号通貨以外の分野でのブロックチェーンへの期待」と、その反面「ニーズを満たすプラットフォームが存在しない」ことでした。

参考:https://wired.jp/special/2017/vitalik-buterin/

 

そこでブリテン氏が構想したのが「あらゆる目的に対応するブロックチェーン・プラットフォーム」、現在のイーサリアム だったのです。イーサリアムは2014年にイーサリアム ・ブロックチェーン上の暗号通貨「イーサ」を発行し、デビューを飾ります。

さて、暗号通貨として現在までの価値はすでみなさんが知るところですが、スタート翌年の2015年にはマイクロソフトが「パブリッククラウドAzureのプラットフォームにイーサリアム基盤の ブロックチェーンツールを導入」するとの発表し、当初からさまざまな人々の大きな注目を集めています。

 

なぜなのか?

それは、“あらゆる目的に対応するブロックチェーン・プラットフォーム実現”のために、「スマートコントラクト 」が実装されていたためです。

では、スマートコントラクト とは一体? 次に紹介しましょう。

「賢い契約」を意味する概念です

スマートコントラクトは直訳すれば「賢い契約」、日本では「契約の自動化」といわれます。

先ほど“機能”と紹介しましたが、実際には概念であり、イーサリアム ・ブロックチェーン上にその概念を実現するプログラムが組み込まれているとイメージしておけばよいでしょう。

この概念を唱えたのは「ニック・スザボ教授」。情報工学学者で暗号通貨との関係も深いといわれる人物です。近年では、「ひょっとしてビットコインのサトシ・ナカモトの正体?」という噂もちらほら。

そんなスザボ教授が1996年に発表したのが『Smart Contracts: Building Blocks for Digital Markets』。タイトルからわかるようにスマートコントラクトの論文です。

参考:Smart Contracts: Building Blocks for Digital Markets

 

スマートコントラクトを例えるときによく自動販売機の例があげられるのも、この論文がもと。確かに、“賢い契約”、“契約の自動化”といっても直感的にイメージできません。そこであらためて自動販売機を例に、スマートコントラクトを見ていきたいと思います。

まず契約とは、「ある目的を持つ当事者とその目的を叶える供給者の合意」です。そして「合意」が成されたとき、供給者は当事者の目的を叶えます。この当事者と供給者を自動販売機で考えると、「当事者=ジュースを飲みたい人」、「供給者=自動販売機」となります。

では次に合意とはなにか? それは飲みたいジュースが決まり、「表示通りのお金を入れ」「ボタンを押した瞬間」です。 “お金の投入”と“ボタンを押す”という行為を「契約合意」と見なし、自動販売機はジュースを供給します。つまり、自動販売機との合意には、決まって2つのアクショが必要なものの、これらを行えば必ず合意を得られる。スマートコントラクト は「ある特定のアクションで、自動的に契約が処理される仕組み」の概念なのです。

 

ブロックチェーン×スマートコントラクトの可能性は計り知れないといわれています

さて、ブロックチェーン×スマートコントラクトがなぜすごいのか? について私たちの生活で考えてみましょう。

例えば不動産物件や土地、カードローン、保険、車など。高額な商品であればあるほど、そのチェックも複雑なものになってきます。なぜかといえば、不動産業者や金融業者などの供給者にとっても取引に大きなリスクが伴うから。

しかし、「取引データの改ざんがきわめてむずかしい」ブロックチェーン、「契約の自動化」を行えるスマートコントラクトを合わせれば、リスクを抑えつつ、契約の自動化を実現できる。つまり、これまで契約に求められてきた従来の労力やコストも大幅に削減できるのです。

さらに、よく例として挙げられるのが海外貿易。国をまたぐ貿易にはさまざまな工程があり、多種のステークホルダーが介在しています。そしてその手続きは複雑きわまりなく、かつその透明性は乏しい。そこにブロックチェーンとスマートコントラクトを適用することで、貿易業務の効率化や透明性の改善、さらにサプライチェーン全体のスマート化にもつながるといわれています。

ブロックチェーン×スマートコントラクトの産業への適用は、まだまだスタートしたばかり。しかし、すでに世界中で実証実験が行われ、また日本でもKDDIがオペレーション効率化の実験を行なっています。

イーサリアム からはじまるビジネス革新。その未来は、さほど遠くはなさそうです。

 

【執筆:編集Gp 坂本 嶺】

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