BC Vol:07「ブロックチェーンが何本にも!? チェーンの分裂“フォーク”ってなんだ?」

仮想通貨だけじゃないブロックチェーン技術。その展開は国家インフラや物流管理、社内コミュニケーション活性など様々な分野に及んでおり、その技術については知っておくべき存在に。

そんなブロックチェーン技術には「フォーク」と呼ばれる特異なものがありますがご存じですか?フォーク(fork)は英語で「分岐する」という意味。食器のフォークと同じ単語ですが、ブロックチェーンでは果たしてどのようなことを指すのでしょうか。

 

ブロックチェーンが分かれることをフォークといいます

唐突ですが、「ブロックチェーンは分裂」します。暗号通貨に興味のある人はすでにおなじみでしょう。「フォーク」と呼ばれる現象です。

以前の記事でも少し触れましたが、なぜ分裂するのか? それが今回のテーマ。気になるフォークのあれこれについて説明してきたいと思います。

 

おさらい

まずおさらいです。フォークの種類を大別すると2種類。「ソフトフォーク」と「ハードフォーク」に分けることができます。

ソフトフォークは、分裂といっても「一時的な状態」。いずれは一本のブロックチェーンに戻ります。

なぜか?

ビットコインを例にしてもそうですが、スケーラビリティ問題など、ブロックチェーンは運用が続くにあたってさまざまな問題が発生。その改善策として「仕様変更」を提案するのがソフトフォークだからです。

ソフトフォークが行われると、以下の図のようになります。従来のチェーン、仕様変更したチェーンどちらも伸びていくイメージです。

ここで注目すべきがその後。マイナーは、従来と新規の性能を比較でき、「どちらのチェーンがよいか多数決で決める」ことができます。つまり、“以前のままでよい”であれば変更はなし。“あたらしい方がよい”となれば新仕様を採用し、「進級どちらにせよ、チェーンはやがて一本」になります。

ソフトフォークは「“お試し”アップデート」と例えてもよいかもしれませんね。

では、ハードフォークはどのようなものでしょうか?

ハードフォークは目的に応じてさまざまな種類があるようです

“お試し”に対して、これまでとは「仕様ががらりと変わる」のがハードフォークです。従来とは互換性がまったくなくなり、暗号通貨でいえばあたらしい通貨が誕生することになります。ビットコインだけでも「ビットコインキャッシュ」、「ビットコインゴールド」、「ビットコインゴッド」などなど。また、イーサリアム も「The DAO事件」をきっかけに、「イーサリアム 」と「イーサリアム ・クラシック」に分裂しています。

ハードフォークはまさに“分裂”という言葉がハマる現象で、ブロックチェーン・コミュニティの総意で行われるものではない傾向にあります。既存の仕様やルールを変えれば、もっとよい暗号通貨になると考える“中の人”が行なったり、またThe DAO事件のように不正を防ぐために行なったりさまざまですが、そこには反対意見もあります。

ただ、すべてのハードフォークに反対派が存在するかというとそうではありません。現在1500種類以上あるとされるアルトコインも実はほとんどがビッドコインのハードフォークから生まれたもの。ビットコインはオープンソースなので、純粋にビットコイン・ブロックチェーンを基盤にして、新暗号通貨をつくりたいという場合にも有効です。

また、さらにハードフォークの種類には「コミュニティの合意前提」のものも。その理由は「大幅な改善」で、従来の技術的な課題クリアするために仕様を一新してあたらしいスタートを切ろうという前向きなハードフォークです。そういう意味では、先述のソフトフォークよりもこちらの方がアップデート的といえるでしょう。ここでもイーサリアム を例に挙げますが、イーサリアム は、当初から段階的なハードフォークが決定されています。

・「Frontier(フロンティア)」
・「Homestead(ホームステッド)」
・「Metorolis(メトロポリス)」
・「Serenity(セレニティ)」

4つの段階は、順を追えば「β版」→「機能調整」→「環境整備」→「環境の確立」です。現在、イサーアリアムは「メトロポリス(=環境整備)」にあり、最終段階のセレニティは2018年内に予定されています。

以上ハードフォークをまとめると−−

①「従来の仕様やルールの否定」
②「あたらしい暗号通貨を生み出す」
③「正常進化のためのアップデート」

この3つの種類があります。ひとことにハードフォーク、または分裂といっても、このようにさまざまなスタンスで行われているのです。

 

フォークに限らず、実はもともと分裂はおきています

ソフトフォーク、ハードフォークの概要を駆け足で説明してきましたが、なんとなくイメージできたでしょうか。最後は、「フォークしなくても“分裂しちゃった”ブロックチェーン」のお話もしておきたいと思います。また分裂か・・・、と思うかもしれませんが、これまで紹介してきたような「目的あるフォーク」とは別に、ブロックチェーンが分かれてしまうことがあるのです。

それが、「ブロックづくり」について。マイナーによりブロックがつくられチェーンができるという、マイニングの説明は以前にしました。そして、いちばん早いマイナーのブロックが承認されることも。ただ、これには例外があります。それが、同時に正しいブロックができてしまうこと。この場合もフォーク同様に分裂しますが、トラブルにはなりません。

仮にAというマイナーのブロックAと、BというマイナーのブロックBが同時に誕生したとしましょう。

このようになっても、ブロックはマイナーによってつくられていきます。迷っているヒマはなし。AにもBにもどんどんあたらしいチェーンができていきます。しかし、時間が経つにつれ、次第にブロックAのチェーンが長くなっていきました。すると・・・、万事解決。ブロックチェーンの原則「長いチェーンを正しいと見なす」から、ブロックAのチェーンが正式なブロックチェーンとなります。

この分裂はフォークの種類としてもよいですが、ブロックチェーンの仕組みゆえの発生する現象として覚えておくと、理解が進みやすいと思いでしょう。

 

【執筆:編集Gp 坂本 嶺】

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