松田軽太の「一人情シスのすゝめ」Vol.2:「脱Excel」に役立つWEBデータベースたち(後編)

松田軽太の「ひとり情シスのすゝめ」は、ひとり情シスを推奨しているのではなく、様々な事情によりやむなく”ひとり情シス/ゼロ情シス”という状況になってしまっても頑張っていらっしゃる皆様のお役に立つような記事をお届けいたします。今回は「脱Excel」に役立つWEBデータベースのご紹介です。

こんにちは! 松田軽太です。
前回はWebデータベースの雄「kintone」ついて触れましたが、もちろん他にもWebデータベースサービスは存在します。今回は前回に引き続き、既存のWebデータサービスについて紹介することにしましょう。

大手や自治体にも採用実績あり! ジャストシステムのUnitBase


<画像出展:UnitBase HP>

kintone以外のWEBデータベースというとATOKでおなじみ!?のJustSystem(ジャストシステム)が提供するUnitBase(ユニットベース)ではないでしょうか。

少し脱線しますが、皆さんはジャストシステムという会社をご存じでしょうか?
現在はパソコン(PC)のワープロソフトといえばMicrosoftの『Word』が定番ですが、その昔はPCワープロソフトといえばジャストシステムの『一太郎』が国内マーケットを席巻する時代もありました。もちろん今でも一太郎は販売されており、適切な日本語文書の作成を支援することに特化した『一太郎2019』としてバージョンアップを重ねながら、コアなファンの心をつかんでいます。(個人的にはFEPのATOKの会社なんですが。)

そんなジャストシステムが提供するUnitBaseですが、奇遇にもkintoneと同じく2011年から販売された商品で、コンセプトもkintoneと同じく「誰でも使えるデータベース」になります。
使い勝手もkintoneに似ているので、操作が難しいということはありません。

kintoneとの最大の違いといえば、kintoneはクラウドのみでのサービス提供であるのに対し、UnitBaseはオンプレミスでも運用できるという点でしょう。(オンプレミスとは「サーバーを自社で運用する」という意味)

最近はサーバーを自社で用意せずに済む手軽なクラウドに人気がありますが、絶対に社外に漏らしたくない重要な情報を扱う場合やデータセンターのSLAに委ねられないような場合には、まだまだオンプレミスでの運用を重視する会社も多いのです。

URL  https://www.justsystems.com/

その他のWebデータベース

Webデータベースのメジャーどころといえば、kintoneとUnitBaseの2つと言ってもいいかもしれません。
しかしながら、この2つ以外にも手軽で特徴のあるWebデータベースサービスが増えています。

CELF(セルフ)


<画像出展:CELF HP>

SCSKが提供するWebデータベースがCELFです。
Excelをブラウザ経由で使う感覚は、Googleスプレッドシートに似ているかもしれません。

参考:予算実績管理画面イメージ

<画像出展:CELF HP>

このCELFはRPAを使うことを意識した作りになっており、有償オプションとして安価にRPAを使えるようにしています。


<画像出展:CELF HP>


<画像出展:CELF RPAオプション HP>

詳細な機能については、”論より証拠”、動画を見てもらった方が分かりやすいでしょう。

機能紹介 https://www.celf.biz/rpa/#section_rpa_movie

URL  https://www.celf.biz/

Forguncy(フォーガンシー)


<画像出展:Forguncy HP>

グレープシティ株式会社が提供するForguncy。その特徴は徹底した「Excelライクな作りこみ」にあります。画面イメージを見てもらえばわかりますが、Excelそっくりな仕上がりです。


<画像出展:Forguncy HP>

更にExcelの代表的な機能の「セルの書式設定、数式、Excel関数、データの入力規則、グラフ」がそのまま使えるというコダワリの仕様です。


<画像出展:Forguncy HP>

「いやいやAccessだってデータベースなんだから、わざわざForguncyにすることないでしょ?」と思われるかもしれませんね。ところが実際にAccessを使うと、複数人が同時更新するのが苦手なことがわかります。もし、Accessを使い、複数人で同時更新するような運用をする状況であればデータベースを分割する必要があります。
ちなみに「Access データベースを分割する」のサポートページを見ていただき、「何が書いてあるのかよく分からない」と感じた場合はAccessで複数人が同時更新するような運用は避けた方が無難だと思います。

少し話が脱線しましたが、Forguncyの最大の特徴は「Excelのスキルをそのまま活かせる」という点です。つまりは学習コストが極めて低いということであり、これは利用する上での大きなメリットと言えるでしょう。

URL  https://www.forguncy.com/

Canbus.(キャンバス)

機能や操作性についてはkintoneから大きくは変わりません。「だったらkintoneで良いんじゃないの?」と思われるかもしれません。しかしながら、Canbus.とkintoneには大きな違いがあります。それは料金体系です。
Canbus.の料金体系は総レコード数と添付ファイル容量で決まっており、登録利用者数に制限がありません。すべてのプランでユーザー数無制限で利用できるのです。
通常であればアカウント数に応じた料金体系となるので、会社が急成長し、社員数が急増するとライセンス料は思わぬコストになっていることもあります。だからと言って、使いまわしをするのはセキュリティ的に問題がありますし、そうでないと「この人はライセンスがあるから使えるけど、この人はライセンスがないから使えない」という煩わしさが発生します。
Canbus.ではこのようなことが発生しないので、成長過程にある企業などでは安心して使えることでしょう。

但し、これも万能ではありません。Standardプランは月額35,000円/月と安価ですが、レコード数の上限は5,000レコードとなっています。
10人が1日1レコードを1年間利用すると約2400となりますので、デイリーな利用に向いているとは言えないかもしれません。通勤経路や慶弔申請、稟議などの比較的利用頻度の低いものの情報共有に向いているでしょう。

しかしながら、レコード数に制限があるとはいうものの、ユーザー数無制限というのは非常に大きな魅力だと思います。

URL  https://canbus.com/

プリザンター


<画像出展:Pleasanter HP>

(株)インプリムが開発しているプリザンター。最大の特徴はオープンソースという部分でしょう。
UnitBaseのように自分で動作環境を構築するのであれば、無料で利用できます。一方でkintoneのようにクラウドサービスも用意されており、こちらは3名までは無料で利用できます。(フリープラン)
気になる料金はこちら

汎用性が高く、顧客管理・勤怠管理・プロジェクト管理・インシデント管理・画像ライブラリなど数多くの業務に対応し、項目の追加などもノンプログラミングで手軽に項目を追加できるという特徴があります。
その一方でExcelを使うようには使えない部分もあり、データベースにこなれた人が使うには良いと思います。

また、フリープランですぐにスタートもできるのですが、長期的な利用を考えるのであれば添付ファイルの可否は大きなポイントになると思われます。また、将来的な拡張性を考慮するとAPI対応も必須と言えるでしょう。となると利用の際の料金プランの本命はスタンダードプラン:月額500円/ユーザーとなるでしょうが、その前におよそのテストができ、且つ、期限がない無料版の存在は情シスとしてはありがたいことです。果たしてこの金額が高いのか安いのか、それはどこまで使い倒すかによるでしょう。

しかしながら、オンプレミスで社内に自力でサーバー構築してしまえば無料で使えることは大きな魅力かもしれません。(多少、時代には逆行する行為なのかもしれませんが)

URL https://pleasanter.org/

nyoibox(如意箱)


<画像出展:nyoibox HP>

NIコンサルティングという会社が提供している「nyoibox(如意箱)」というサービスがあります。
こちらは「Excel感覚で手軽にWebアプリを作成できるツール」をうたうだけあり、使い慣れた表計算ソフトのように、一覧画面でそのままデータを編集できます。既存のExcelデータを取り込むこともでき、移行のハードルは低いように思います。

kintoneにもKrewというアダプターをつけるとりExcelチックな運用ができますが、別料金が掛かります。
「Excelからの置き換え」という目的であれば、こちらを使うという手もありるでしょう。

URL  http://www.ni-ware.com/nyoibox/

楽々Webデータベース


<画像出展:楽々Webデータベース HP>

住友電工情報システムが提供しているサービス「楽々Webデータベース」。
この製品の特徴はというと・・・サイトを見た限りではkintoneやUnitBaseと大きな違いはないように思えます。
機能的に違いがないのであれば、料金体系やサポート体制など、御社の事情に適したものは何かを比較するなども一つかもしれません。

楽々Webデータベースの使い方について、動画で詳しく紹介しているページもあるので、そちらを見ていただくと参考になると思います。

解説動画集:https://www.sei-info.co.jp/webdatabase/movie/

URL  https://www.sei-info.co.jp/webdatabase

まとめ

kintoneのヒットをきっかけに、沢山のWebデータベースがサービス提供されるようになりました。
とはいえこれらのWebデータベースを導入したからといってExcelの運用がなくなることはないでしょう。(Office365でも提供され、一覧表作成などには便利なツールであることは間違いないですし)
Webデータベースを導入するのであれば「どういった目的で利用したいのか?」を明確にしておかないと「導入はしたものの、一体、何に利用すればいいのだろう?」ということになってしまいます。

『Webデータベースのご利用は計画的に!』

※本記事は松田軽太様了承のもと「松田軽太のブロぐる」の記事をベースに再編集しております。


松田軽太(まつだ・けいた)

とある企業に勤務する現役情シス。会社の中では「何をしているのかナゾな職場」でもある情シス業務についてのTipsや基礎知識などを紹介する。

ブログ『松田軽太のブロぐる』を運営。

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