Vol:08「IoT なう!!〜日本と海外の事例集〜」

Japan IT WeekやDOCOMO Open Houseでも数多くの製品・サービスが展示されていたIoT。その利用用途の広がりは、ルールをも変え、すでに当初の想像を超えているかもしれません。

IoTが生活に欠かせない存在に!?

少し前まで、日本では業務システムや工場の効率化という産業イメージが強かったIoT。しかしながら、スマートスピーカーを入口に、照明、エアコン、調理器具などの様々な家電製品や体温計や体重計といったヘルスケア製品にも拡大し、生活の中におけるIoTは身近な存在になりつつあります。今やビックカメラでも特集ページを組みIoT家電を紹介しているのは、そんな今の状況をよく表しているといえるでしょう。

スマートスピーカーも、GoogleやAmazon、LINEが立て続けにリリースし、急速に拡大中。実際にどこまで使われているかは未知数ではあるものの、あらゆるモノがネットに接続される社会がすでに実現しつつあります。

果たしてIoTによりどんな未来がやってくるか? 今回は生活に身近な日本と海外のIoT事例を見ながら、考えていくことにしましょう。

 

生活を豊かにするIoTは、日本でも広がりを見せる

・サインポスト「日本発の無人コンビニ」スーパーワンダーレジ

金融機関や公共機関向けのITコンサルやITソリューションを事業にするサインポストが開発した「スーパーワンダーレジ」。
AI搭載の無人レジで、バーコードではなく画像認識技術により商品を認識し、複数の商品を一括清算できます。このレジを活用し、JR大宮駅で「無人コンビニ」の実証実験が行われました。

店内には、スーパーワンダーレジに加え、スイカなどのICカードで通過できる入店システムと、お客さんと陳列商品の在庫を認識する2種のカメラ。お客さんが購入したい商品を手に取り、出口に向かうと、ディスプレイに料金が表示され、ICカードをかざせば清算される仕組みです。

無人コンビニは、Amazonがシアトルで2018年1月に開業させた「Amazon GO」に注目がいきがちですが、実はこの実証実験が行われたのは2017年11月のこと。人材不足やレジ効率化が大きな課題のコンビニやキオスクの現状を考えれば、日本で大きな広がりを見せそうです。

・京都市営バス「到着をリアルタイムでお知らせ」バスロケ

交通状況により停留所への到着が数分遅れることもあるバス。急いでいたり、乗り慣れていないと結構不安を感じます。IoTは、そんなバス乗車にも安心を与えてくれます。京都市営バスにはビーコンが搭載されていて、停留所にある専用ディスプレイ・アプリと連動。バスの到着をリアルタイムで表示してくれます。スマホアプリをインストールする必要もないので、誰もが便利さを実感できるのも大きな魅力です。


<画像出展:ポケロケ

京都市交通局では、市バス・地下鉄の経路を検索するシステム「洛ナビ」を早くから提供し、利用者の利便性の向上を図ってきたこともあり、KYOTO Wi-FiやiBeaconの採用で従来型の1/4の費用で実現でき、本来であれば整備に20年かかるところを3年で完了したと聞きます。
この京都市営バスの取り組み、2013年ごろにはすでにスタートしていたんだとか。「できる範囲で始める」IoTの好例ではないでしょうか。

・有楽町マルイ「トイレの空き状況をお知らせ」

デパートのショッピングで結構重要なのがトイレ。トイレのあるフロア探しの手間はもちろん、ようやく見つけたのに空いてなかったなんてこともしばしば・・・。そんな悩みを解決してくれるのが有楽町マルイのIoT事例。


<画像出展:マルイ・プレスリリースより抜粋>

トイレのドアに取り付けられたセンサーとでサイネージが連動していて、トイレの混雑状況が一目瞭然! QRコードをスマホで読み取ればブラウザでの確認もできます。こういったデパートや施設でのトイレ状況の可視化案件は増えていて、最近ではラゾーナ川崎や二条城なども実証実験をスタートさせています。

・Qrio「見守りIoT」ただいまキット

ソニー子会社のQrioは、2018年1月にIoTを使った子どもの見守りサービスをリリースしました。

「ただいまキット」は、タグデバイスとゲートウェイを活用し、子どもが帰宅すると両親のLINEに自動で通知が行われるもの。共働き世代が安心して働けるソリューションサービスです。

このように、あるモノ・コトの状況を自動で確認してくれるのもIoTならでは。タグ×ゲートウェイサービスは今後も広がっていくことでしょう。高齢者見守りや火の元確認など、さまざまなサービスが考えられそうです。

 

普及の進む海外では、ユニークなサービスも続々登場

・Streetline「駐車場の空き状況をお知らせ」

都市部になればなるほど、困る駐車場探し。世界共通の悩みのようです。アメリカのStreetline提供の駐車場システム「streetline」は、時間制駐車場に埋め込まれたセンサーとアプリの連動により、利用者がリアルタイムで空き駐車場を検索できるもの。


<画像出展:HPより抜粋>

加えて、アプリから駐車場予約もできるので、駐車場探しに時間をかける必要はもうありません。ガソリンの無駄によるCO2の削減にも寄与すると、環境面でもstreetlineは注目を集めています。

・Durmet「浮気を自動で密告するスマートマットレス」Smarttess

海外ならではというか、ユニークすぎる変わり種IoTがスペインのDurmetのスマートベッド「Smarttess」。
センサー搭載のマットが状況を検証。その振動を計測し、あってはいけないアクションが生じた場合にユーザーに通知が届くという。

自宅での浮気が多いといわれるスペイン事情を思えばさもありなんですが・・・、Smarttessのデータは個人情報にあたらないのかなど、結構ハードルが高いサービスの気もします。

・COWA ROBOT「どこまでもユーザーに従うスーツケース」

重たいし、混雑する場所では運ぶのにとても苦労するスーツケース。“勝手についてきてくれたら”を実現したのがこちら。

COWA ROBOTの「COWA ROBOT R1」は忠犬ハチ公さながら、ユーザーのあとを限りなくついて移動するスーツケースで、障害物や段差もなんのその。さらに、専用ブレスレットを使った開閉はもちろん、「呼び出し」もできるとか。
ビジネスシーンだとたいてい腕時計をつけているので、専用ブレスレットの着用が必要なところに少し気になりますが、IoT活用のスーツケースやバッグは今後も登場しそうです。

 

注)ご紹介した製品/サービスはすでに販売や提供を終了している場合があります。

 

スマホのように、IoTも当たり前に

以上、日本と海外の事例を見てきましたが、ビジネスの効率化だけではなく、IoTはライフスタイルのさまざまなシーンに浸透しようとしていることがわかります。

IoTの到来を予見したマークワイザー博士が『21世紀のコンピュータ』で、「本当の道具は、道具という意識が失われている」と書いているように、IoTもいずれIoTという注目を失い、私たちにとって当たり前になる。そんな時代ももうすぐなのかもしれません。

 

【執筆:編集Gp 坂本 嶺】

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