使える!情シス三段用語辞典112「ウェビナー(Webinar)」

常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなると更に難しくなります。『情シスNavi.』では数々のIT用語を三段階で説明します。

一段目 ITの知識がある人向けの説明
二段目 ITが苦手な経営者に理解してもらえる説明
三段目 小学生にもわかる説明

取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?

一段目 ITの知識がある人向け「ウェビナー」の意味

近年、多様化する価値観と高速化するビジネス展開に対応するため、毎日毎日次から次へと新技術・新サービスが発表されています。それはコロナ禍であろうがなかろうが関係はありません。そうした新しいサービスや技術を広めるため、または知るために今でもたくさんのセミナーが開かれ、多くのビジネスマンたちが学んでいます。

しかしながら、従来のセミナーといえば製品の宣伝を兼ねてホテルの広間を貸し切って説明会を行ったり、技術やサービスに関する講座を会議室で主催したりと、セミナーはあくまでも“教室に出向いて先生に直接教わる”学校形式がメインでした。

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、外出自粛が求められている今、多くの人が一か所に集まるセミナーの開催はできない状況にあります。そこでZoom等のWeb配信ツールを利用したオンラインセミナーに切り替えられるようになりました。

そう、「ウェビナー(Webinar)」とは「Web」と「セミナー」を足して作られた用語で、Webを通じて行われるオンラインセミナーのことなのです。

ウェビナーのやり方としては、通常行うようなセミナーの講義をカメラとマイクで撮りリアルタイムでライブ配信する方法、デモンストレーション・動画・画像でのプレゼンテーションをまとめて音声説明などを入れながらライブ配信する方法などがあります。

 

ウェビナーのメリットとデメリット

実際に人が集まって行うセミナーと比べて、Web上で行うウェビナーの大きなメリットはいくつもあります。

【開催側のメリット】

新しい層の参加者の開拓

これまで物理的な距離に阻まれて参加できないでいた、潜在層を掘り起こすことができます。「出張するまでではないが一度聞いてみたかった」というような全国にいるであろうセミナー参加希望者にリーチすることができます。

会場費、運営費の節約

場所やサイズの関係で自社会議室が使えない場合、セミナーの為の場所を借りる必要がありましたが、参加者を収容する物理空間を必要としないために多くの方に参加していただくことができます。(制約があるとすれば利用するツールの同時利用者数になります)
仮にセミナー運営者だけは集まったとしても、その会場費用は低く抑えることができます。

簡単に再配信できる

一度セミナーを開催した際の映像を保存しておくことで、それを再配信することも可能ですし、あらかじめ動画を用意しておき、映像配信で対応することも可能なので、講師不在でのセミナー開催なども可能です。

 

また、開催側のデメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。

【開催側のデメリット】

配信するための技術や機材が必要となる

Web配信に使うカメラや音響機材・ツールの習得や、スイッチングスキルなどが求められます。

しかしながら、最近のミラーレスカメラはWeb配信用のカメラに使えるようにファームアップデートされたり、1000円程度でHDMI→USB変換をするアクセサリーなどもありますし、ツールもZoomのビデオウェビナープランやTeamsのライブイベントを活用すれば画面や音声のスイッチングもコントロールできます。故に、昔ほどコストをかけずにきれいな映像を配信できる為、もはやデメリットはないに等しいかもしれません。

高品質なネットワーク環境

配信する側としてはアップリンクが重要になります。「回線速度〇〇Gps」というのは、ベストエフォートでの最大値、且つ、ダウンリンクであることが多いため、ネットワーク回線が貧弱な場合は変更が必要となることもあります。

 

【参加側のメリット】

会場に行かなくてよい

自社オフィスでもテレワーク(在宅勤務)中の自宅でも、インターネット環境さえ整っていれば参加することができるため、移動時間を節約することができます。公共交通機関を使う必要もなく、密な会場にいる必要もなく、副次的な効果として新型コロナウイルス感染防止というメリットもあります。

慣れた環境で講義を聞ける

通常のセミナー会場では、参加者全員分の机や電源、ネット環境が用意されていないなどパソコンを広げて同時進行で調べ物をしたりメモを取ったりすることが困難な場合もあります。
しかしウェビナーならそんな心配は不要です。整った環境の中でセミナーを聞くことができます。休憩時間にトイレに並ぶ心配だっていらないのです。

 

もちろんですが、参加側のデメリットも多少ですが存在します。

【参加者側のデメリット】

参加者同士の交流や運営側との会話がしにくい

オンライン参加者はお互いがつながることができませんし、質問もチャットのみで受付となるなど、双方向のコミュニケーションがとりづらくなることがあります。

しかしながら、Zoomのブレイクアウトルームなどを利用すれば解決できる部分もありますし、Teamsなどはすごい速さで機能が追加されていることから、今は不便でも明日には解消しているかもしれません。(例:挙手機能など)

 

ウェビナーツール

ウェビナーに使えるツールも数多く存在します。
先ほども名前が挙がっていたZoom。最も日本中に利用が広がったWeb会議サービスかもしれませんが、このウェビナーサービス「Zoom Webinar」があります。
その他にはMicrosoft Teamsを使った「ライブイベント」、一般ユーザーにも無料開放されたGoogle「Google Meet」、老舗のCisco「WebEx」やV-cube「V-CUBE」などです。

ウェビナーサービスは少人数で行うWeb会議システムを母体にし、そのオプションとして用意されているものが多いです。

しかし、ツールごとに接続可能人数、配信可能時間などの機能と価格に差があるので、会議システムを使っているからとメーカーで縛るのではなく、いろいろなシステムを比較し、自社の配信スタイルに合ったツールを選択するとよいでしょう。

 

二段目 ITが苦手な経営者向け

とある会社の社長、渾身の新サービスリリースにこぎつけたまではいいものの、世は新型コロナウィルス感染症対策のため、リアルイベントは自粛ムード。困った社長はオンライン会議の席上で…。

社長:「皆さん、お疲れ様。今日は少し相談があります。来月発売する予定の我が社の『猫ちゃんセンサー』、今回の新型コロナウィルス騒動でセミナーも全部キャンセルになりましたよね。でも、なまじ高機能なだけにやっぱりこの商品の良さはホームページやリーフレットだけでは伝えきれないと思うんですよ。いろいろな課題をクリアしながら開発したこの長年の思いをじかにお客様に届けたいんです。」
営業部長:「はい。営業ですが、では電話で商品のセールスをするのはいかがでしょうか。」
蛯名さん:「はい、情シスの蛯名です。それもいいと思いますが、社長の思いのたけを伝える動画の配信も良いのではないでしょうか。」
社長:「うーん動画配信もいいけど、やっぱりリアルなお客さんの反応を感じたいんです。何かいい方法ありませんか。」
蛯名さん:「それならウェビナーを行いましょうか。」
社長&営業部長:「ウェビナー?」
蛯名さん:「ウェビナーというのは、Web上で行うセミナーのことです。オンラインセミナーともいえます。実際に発表会場を用意してお客様に来ていただく必要はなく、オンライン上の会場にアクセスしていただいて、こちらから映像配信するのを見ていただくという形で行うセミナーになります。」
社長:「オンライン上の会場で? それっていわゆる動画配信と何が違うのですか?」
蛯名さん:「ウェビナーは基本的にライブ配信なんです。社長が話していることをそのままリアルタイムでお客様に届けることができます。双方向のやりとりもできるので、例えば参加者の方から質問をいただくこともできます。」
営業部長:「なるほど、それならいいですね。お客さんの反応も見られると。」
蛯名さん:「参加者の人数にもよるとは思いますが、ウェビナーツールではお客さんの顔を見ることはできません。パソコン画面に表示するにはちょっと多すぎますので…。」
社長:「そうなると、商品が高機能なだけにお客様の理解度が気になるところです。会場アンケートも取れるのですか?」
蛯名さん:「ライブ中の投票機能などもあります。また、イベント終了後に自動的にアンケートに誘因することなども可能です。質問も可能ですが、大勢いる会場で手を挙げて質問するのは緊張してしまいますが、パソコン上に質問を投げる方がカンタンなので、活発な意見が見えるかもしれません。」
社長:「確かにそうですね。よし、じゃあさっそくウェビナーで全国行脚しましょう!」
蛯名さん:「いやいや、社長。ウェビナーは全国どこからでも参加できます。」
社長:「あっ、そうでしたね! 交通費も会場費もかからなくて良いですね。では、来週までにウェビナーのやり方をまとめておいてください」

 

三段目 小学生向け

小学生のミナちゃん、今日はおうちで塾の授業の準備をしています。リビングでテキストを開いて予習をしていると、そこにおじいちゃんがやってきて言いました。

「あれっ、ミナ。今日は塾の日じゃなかったのかい? バスは間に合うの?」
「今、塾はオンライン受講なの! 黒板やテキストがパソコンの画面に映って、それを先生が説明してくれるんだよ。だから塾に行かなくてもおうちで授業が受けられるのよ。質問も普通にできるし、宿題の提出だってちゃんとできるんだよ」

ミナちゃんは、塾に行かずにパソコンを通して授業を受けるのです。みなさんの中にも、新型コロナウイルス対策でオンライン授業を受けたことがある人も多いかもしれませんね。

さて本日のテーマ「ウェビナー」とは、まさにこの「オンライン授業」のことなのです。

テレビ電話のように、先生たちのいる教室がインターネットの向こうに用意されていて、生徒たちはそれをパソコンの画面を通して見ることができます。

先生たちは、時には自分のしゃべる姿、時にはテキストや黒板などを映しながら授業を進めます。生徒たちは、その様子を見ながらノートを取ったり問題を解いたり、わからないことを考えたりしながら授業を受け、質問があれば先生にチャットなどで聞くことができます。先生も送られてきた質問をすぐに見ることができ、授業の中で答えることができます。いつもの教室がオンライン上に構成されただけです。

学校を卒業した大人たちも、お仕事の勉強や新しい分野の勉強をがんばっています。そういうとき、ウェビナーを使って授業を受ける人も多いのです。

「うわあ、テレビ電話みたいだねえ」
「おじいちゃん、これね、テレビ電話とはちがうの。先生がしゃべっているけど、こっちが勝手に発言はできないの。それに隣のお友達とは声を聞いたり教え合ったりできないし…。あっ、もう授業始まってるからあとでね!」

ウェビナーは、生徒たち同士のちょっとしたおしゃべりやノートの見せ合いということはできないのですが、その分先生の講義内容に集中できます。テキストもノートも隣の子を気にせず広げ放題です。
もちろん、おうちにいるおじいちゃんとのおしゃべりで気を散らさないようにしましょうね。

 

さて、皆様のご理解は深まったでしょうか?

 

【執筆:編集Gp 星野 美緒】

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