使える!情シス三段用語辞典114「リモートワーク/テレワーク」

常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなると更に難しくなります。『情シスNavi.』では数々のIT用語を三段階で説明します。

一段目 ITの知識がある人向けの説明
二段目 ITが苦手な経営者に理解してもらえる説明
三段目 小学生にもわかる説明

取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?

一段目 ITの知識がある人向け「リモートワーク/テレワーク」の意味

働き方改革の推進に伴い、ニュースなどでもよく耳にするようになった「リモートワーク/テレワーク」。このリモートワーク/テレワークとは、パソコン端末や電話、タブレットなどを使って「オフィスに出社せずに離れた場所で働くこと」を指します。インターネットを使えば、メールはもちろんチャットやファイル編集、それにテレビ会議だって離れた場所でできます。自宅と会社とを往復する時間・労力を省略でき、企業側のオフィスコストも節約でき、双方にとってより効率的な働き方につながります。また、ライフステージの変化によって常勤勤務が難しくなった従業員が継続的に働けるなど、雇用の確保・人材の確保という面でのメリットもあります。

リモートワークとは「remote = 遠隔」と「work = 働く」、テレワークとは、「tele = 離れた所」と「work = 働く」を合わせた言葉です。リモートワークとテレワークは同じ意味で使われています。

こうした場所にとらわれない働き方は、育児や介護などの理由により在宅で働きたい人のための働き方として始まりました。それが、昨今の政府主導の働き方改革や働く人のライフスタイル多様化にともなってだんだんと対象が広まる傾向にあり、申請すればだれでもリモートワークを行える規則を整備する企業も多く出てきています。

過去、リモートワークがまだ登場したばかりのころはオフラインでの業務に限られたり打ち合わせなどのコミュニケーションが取りにくかったりという不便な点も多かったのですが、クラウドサービスが普及したことでリモートワークがしやすくなってきました。いつでもどこからでも同じ環境にアクセスできるOffice 365やG Suiteといったクラウドサービスとリモートワークは相性抜群です。

リモートワークを行う人は、会社外の場所から業務端末やBYOD(Bring Your Own Device:私的端末の業務利用のこと)で社内システムに接続して業務を行います。他の人と実際に顔を合わせなくても、メールよりもリアルタイム性の高いチャットや複数人で編集できる共有ファイル、遠隔会議システムなどのさまざまなコミュニケーションツールで業務を円滑に進められます。また、近年街中に増えているシェアオフィスやコワーキングスペースといった仮のオフィススペースを利用すれば、オフィス用の設備が整った場所で働くこともできます。

 

多様な働き方を後押しするリモートワークは今後いっそう広がっていくことでしょう。とはいっても、大部分の企業でリモートワークを全面的に解禁できないのは、まだ課題が多く残っているからです。社外から安全にアクセスできる社内システム環境の用意が必須であることのほか、会社外で機密情報を扱うこともあるためセキュリティの問題、出社状況が目に見えないため労務管理の問題があります。こうした問題には企業特有の事情などを勘案しながら、労働者側と企業側が協力して解決に向けて取り組んでいく必要があります。

 

二段目 ITが苦手な経営者向け

とある小売会社の社長、人事部長と相談中。そこに呼ばれたのは、情シスの友利さん。

友利さん:「リモートワークの相談って聞いたんですが。」
社長:「そうなんだよ。ちょっとね、介護休暇を取りたいっていう人がいてね。でも彼が完全に抜けちゃうと、ちょっと現場が困っちゃうなっていうことで。いよいよウチもリモートワークを取り入れたいんだけど。」
友利さん:「ああ、なるほど。」
人事部長:「それで『リモートワーク』ってどうすることなのかちょっと教えてほしいんだよ。いざやろうと思うとできるのかわからなくてね。ウチでもできるのかな?」
友利さん:「リモートワークは、まあウチでもできると思いますよ。Office365を使っていますから、それは基本的にどこからつないでも大丈夫です。」
人事部長:「うん。でも、例えば現場のスタッフとの面談とかもあるし、そういう時はどうするのかな?」
友利さん:「そうですね、面談はテレビ会議でできますよ。これまではSkypeなどが主流でしたが、Office365ではMicrosoft Teamsが使えるので、このWeb会議ツールを使うとよいと思います。カメラ付きPCまたは既存のPCにWebカメラを追加することで会議はいけます。」
社長:「顧客管理システムも使えるのかな?」
友利さん:「はい。昨年クラウドサービスに移行したので。今でも、営業さんやマネージャーさんは出先でつないでいますよ。」
社長:「では、経理システムはどうなのかな?」
友利さん:「残念ながら経理システムはまだオンプレミスなので、すぐにはつなぐことができません。外からつなげるには、VPNなどの安全なネットワークを用意するとかいろいろな対策が必要です。」
人事部長:「まあ、それは出社したときにやってもらってもいいしな。じゃあ、勤怠管理はどうするの?」
友利さん:「決まった時間に働けるなら固定時間としてもいいし、介護で時間がバラバラとなればログイン履歴を使って勤務証明とするとか、業務報告を出してもらうとかですね。そういう条件は、その人と一緒に決めてもいいと思います。」
人事部長:「そうだな。経費のことも決めなくてはいけないしね。」
友利さん:「他社では、BYODのケースもあるようですが、在宅勤務で使用する端末は、営業さんと同じく会社支給が良いと思います。個人の物だとスペックの問題や、セキュリティ管理が難しいこともあります。」
社長:「うん、なんだかできそうな気がしてきたな。これでウチも働き方の自由に一歩近づけたかな。」

 

三段目 小学生向け

毎年冬になるとインフルエンザが猛威をふるい始めます。皆さんの周り、学校でも寒さが増すにつれてインフルエンザが流行っていませんか? あんまりインフルエンザが流行ってしまうと、集団感染を防ぐために学級閉鎖となってしまいます。(新型コロナウィルスの感染拡大防止の際には学級閉鎖よりももっと大きな単位で、緊急事態宣言が発令され、営業停止や外出自粛が呼びかけられたことは記憶に新しいと思います。)

さて、今日はこの学級閉鎖を例にして、「リモートワーク/テレワーク」の説明をしたいと思います。

小学生の皆さん、もし明日からクラスが学級閉鎖となってしまったらどうしますか? 「ラッキー! たくさん遊べるじゃん!」と思いますか? 「家でゴロゴロしようっと」などと思うかもしれませんね。

いやいやきっと、勉強好きな皆さんは「そんなの困るよ。勉強が遅れちゃうし、気になるあの子にも会えなくなっちゃう」という人が多いと信じています。

しかしながら、昔と違い学級閉鎖で学校に行けなくても、パソコンを使えば家にいながらにして授業を受けることができます。GIGAスクール構想の後押しもあり、一人一台の端末が用意されることで実現されます。

また、皆さんは、離れて住んでいるおじいちゃんおばあちゃんとテレビ電話をしたことはありませんか。あんな風にして学校と家をテレビ電話でつなげば、先生の話す授業が聞けて黒板も見られます。
もしくはLINEのようなアプリを使って、その場で先生に質問をしたり、友達と意見を言い合ったりすることもできます。このように、いろいろな方法を使って教室の外にいても授業を受けられると良いですよね。
将来は「病気で入院しているから授業が遅れる」という表現は使われなくなるかもしれません。

「リモートワーク/テレワーク」とは、まさにこういうことなのです。会社でお仕事をする代わりに、テレビ電話やメッセージアプリやいろいろなシステムを使って、会社の外でもお仕事ができるということなのです。

もちろん、教室にいないとできないこともあります。
例えば、理科の実験はできませんし、みんなで集まらないと体育のドッジボールもできません。
学校の外に目を向ければ、レストランのコックさんや宅配便の荷物を運ぶ人などもリモートワークできない仕事です。
でも書類を作ったり、いろいろな計算をしたり、会議に参加したりすることができ、ITの進歩によってリモートワークでできることはさらに広がってきています。

もしかしたら、学級閉鎖になった皆さんのお父さん・お母さんも、パソコンを持って帰ってきていっしょに家でリモートワークをしていることもあるのではないでしょうか? 出かけずに仕事をしたい人にとって、リモートワークはとてもやさしい働き方なのです。

 

さて、皆様のご理解は深まったでしょうか?

 

【執筆:編集Gp 星野 美緒】

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