使える!情シス三段用語辞典119「DSDA」

常に新しい用語が生まれてくる情報システム部門は、全ての用語を正しく理解するのも一苦労。ましてや他人に伝えるとなると更に難しくなります。『情シスNavi.』では数々のIT用語を三段階で説明します。

一段目 ITの知識がある人向けの説明
二段目 ITが苦手な経営者に理解してもらえる説明
三段目 小学生にもわかる説明

取り上げる用語を“知らない”と思った人は、小学生にもわかる説明から読んでみると、理解が深まるかもしれません!?

一段目 ITの知識がある人向け「DSDA」の意味

「DSDA(Dual SIM Dual Active)」とは、前回・前々回と紹介してきたデュアルSIMシリーズの最新バージョンです。

前半の「DS」は、「デュアルSIM」。一つの携帯端末に2つのSIMカードを挿すことができる機能です。これにより、1つの端末で2つの電話番号、2つの契約プランを同時に使うことができます。業務用とプライベート用の電話番号を1台で使い分けることができます。またSIMは同一プロバイダである必要がないため、格安料金プランのSIMを併用すれば全体の通信コスト削減も可能です。

そして後半の「DA」は「デュアルアクティブ」。2つ挿したSIMカードは常に同時に待ち受けすることができ、さらにどちらかのSIMで通話をしている中においても他方のSIMでの通信が行えるという機能です。

DSDSやDSDVでは同時に2つのSIMでの通話着信の待ち受けが可能でしたが、2つのSIMでの通信を同時に行うことができませんでした。そのため、通話中は他方のSIMを使うことができず、例えば音声通話用SIMとインターネット通信用SIMで使い分けをしている場合などに通話しながら通信用SIMで調べ物をするということができなかったわけです。

しかしながらそれを可能にするのが、DSDAになります。

DSDAでは、DSDS/DSDVと同じように着信時は使用番号が表示されます。通話の発信・データ通信に使うSIMは、SIM管理設定を行い優先して使うSIMの選択や都度選択するなどの設定ができます。

DSDS/DSDVでは搭載されている通信モデム機能が1つであったため、各SIMの接続を切り替えながら2つの回線を使っていたのに対し、DSDAでは通信モデム機能が2つのSIMごとに搭載されているため、切り替え処理を行うことなく2つの回線での通信が可能となります。

(画像出展: IIJmio meeting #17 「DSDSと着信シーケンスについて」スライドシェア

似たような名前が多いデュアルSIMの各機能ですが、ここで比較しながらまとめてみましょう。

  • DSSS(デュアルSIMシングルスタンバイ)
    こちらは記事上では紹介しませんでしたが、デュアルSIMの初期に登場した機能です。
    1つの端末に2つのSIMを入れることができ、通信と通話待ち受けは都度手動でSIMを切り替えて使います。2つの電話番号で同時に待ち受けすることはできません。図中の「Passive」にあたります。
  • DSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)
    同時に2つの番号での同時待ち受けが可能です。ただし、2つのSIMの通信は同時にはできません。また、片方で4G回線を使っている場合はもう片方は3G回線となります。
  • DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)
    DSDSと同じ機能ですが、2つのSIMでどちらも4G回線を使うことができます。5G対応機種であれば、片方に5G回線を使うことも可能です。

そして今回の主題、DSDAですね。これらを表にまとめると以下のようになります。

 

二段目 ITが苦手な経営者向け

とある会社の社長、今日は海外の取引先との商談回りに来ています。秘書と一緒に現地のタクシーに乗り込んだ社長。ところが……。

タクシーの運転手:「着イタヨ」
社長:「あれっ、こんなところだったっけ? ああ、タクシーはもう行っちゃったぞ」
秘書:「ええと、地図で検索すると近くではあるようですね。すぐなので歩いていきましょう」
社長:「よし行きましょう」
秘書:「あ、日本の〇〇商事様からお電話です」
社長:「ああ、そこからの電話には出なくちゃ。でも初回で遅刻はまずいですね、こっちも早く行かなくちゃ」
秘書:「大丈夫です。通話しながら調べられますので。はい、こちら〇×株式会社でございます、・・・(右折のジェスチャー)」
社長:「最近の若い人は器用だなあ」
秘書:「・・・さて、無事着きましたね。このスマートフォンがDSDAというのも幸いしました。」
社長:「え? デュアルSIM? え? アクティブ?」
秘書:「DSDA対応の機種だと、1つのスマートフォンなのに2つのSIMを入れることができるんです。この端末には1つは日本で使っている電話番号のSIMが入っていて、もう一つは滞在中に使う現地通信用のSIMが入っています。さきほどは、現地SIMで地図を調べながらいつもの電話番号への通話をしていたのです」
社長:「へえ。2つのSIMが同時に使えるんですね」
秘書:「ええそうなんです。それがDSDAの良いところなんです。2つSIMが入るだけなら、DSDSやDSDVといった機種もあるのですが、それだと2つのSIMで通信を同時にすることができないのです。着信の待ち受けだけなら同時にできるのですが、1つのSIMでの通話中はもう一つのSIMは使えません」
社長:「そうなのですね。もしこのスマートフォンがDSDAじゃなかったら、地図を見るか取引先の電話に出るかどっちかしかできなかったわけか。DSDAで良かったなあ。よし、幸先よくなんだか今日の商談もまとまりそうな気がしてきましたよ!」

 

三段目 小学生向け

小学生のアッくんは釣りが大好き。おこずかいを貯めて買った大事な釣りざおを持って出かけます。釣りざおはとっておきの1本しかないけれど、手先が器用なのでルアーを手作りしたりと、しかけはたくさん持っています。

「よおし、今日はどのルアーを使おうかな。この新しい虹色のルアーを使おうかな! でもこっちの金色のだとイカの食いつきがいいんだよなぁ~」

アッくんはひとりでどっちにしようか迷いました。するとそのとき、ひらめきが!

「そうだ! ライン(釣り糸)の先を2つに分けてルアーを2つとも付けたらどうだろう? これであればいっぺんに2匹も釣れるかもしれないぞ」

アッくんは1本のラインの先にルアーが2つ付けられるようにしかけを作り始めました。ラインの先の仕掛けでルアーを分岐させ、虹色のルアーと金色のルアーをそれぞれに付けました。そして、

「えい!」

アッくんのキャストしたルアー達はきれいな弧を描いて遠くに飛んでいきました。

さて、今回のテーマ「DSDA」は、実はこのアッくんの2つのルアーのようなものなのです。
通常、スマートフォンには1つのSIMという小さなカードが入っていて、このSIMの働きで電話できたりインターネットができたりするのです。ただSIMごとに使える電話番号や通信プランは決まっています。もし、違う電話番号や通信キャリア、通信プランを使いたければ、もう一つSIMを用意する必要があるのです。

アッくんは、1本の釣りざおに2つのルアーを付けたので、いっぺんに2匹の魚を狙うこともできます。

それと同じように、DSDAとは1つのスマートフォンの中に2つのSIMが入っているのです。そして、その2つのSIMを使えばいっぺんに2つの電話番号・通信プランを使うことができるのです。

DSDAでは同時に両方のSIMを使えるので、片方のSIMで電話をしながらもう片方のSIMでインターネットを見ることができるのです。2つSIMが使えれば、2つの電話番号を使い分けられたり、格安通信プランを組み合わせるなどして月々の使用料金をおさえたりすることができるのでとても便利ですね。

 

 

さて、皆様のご理解は深まったでしょうか?

 

【執筆:編集Gp 星野 美緒】

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