MOTEXとフレクセラが脆弱性管理分野で提携 ライバル同士が手を組んだ理由とは?

  • 2017/10/31
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2016/11/07

「LanScope Cat(ランスコープキャット)」で国内IT資産・PC構成管理ソフト分野で、高いシェアを持つエムオーテックス(MOTEX)と、ソフトウェア資産ソフトウェアなどを手がけ海外市場で強さを誇るフレクセラ・ソフトウェア。

今回、2社は提携し「LanScope Cat」とフレクセラのセキュリティ・パッチ管理ソフト「Corporate Software Inspector(コーポレート・ソフトウェア・インスペクター、CSI)」と連携させたソリューション「脆弱性管理ソリューション」の販売を始めた。ライバル同士ともいえる2社が、なぜ手を組んだのか。エムオーテックスの池田淳・執行役員営業本部副本部長とフレクセラ・ソフトウェアのスクワィヤーズ・コートニー・日本セールスマネージャーにその理由を聞いた。

スクワィヤーズ・コートニー・フレクセラ・ソフトウェア 日本セールスマネージャー(左)と池田淳・エムオーテックス執行役員営業本部副本部長

スクワィヤーズ・コートニー・フレクセラ・ソフトウェア 日本セールスマネージャー(左)と池田淳・エムオーテックス執行役員営業本部副本部長

――今回、提携に踏み切った理由は?

スクワィヤーズ・コートニー・フレクセラ・ソフトウェア 日本セールスマネージャー(以下、コートニー・マネージャー)
エムオーテックスについて、当初は競合になると感じていたが、実際にエムオーテックスのいろいろな人と話してみると協業の可能性を強く感じた。その理由としては、当社が持つライセンス管理最適化のソリューションがある。これは、日本の資産管理ソリューションにプラスアルファの要素を持つものだ。このソリューションをエムオーテックスと協業することで幅広く企業に提案していけると思った。

当社は、2015年9月に世界最大級の脆弱性についてのデータベース(DB)を持つデンマークのセキュニアを買収し、セキュリティ分野の強化に乗り出した。その頃から日本でセキュリティに対するソリューションのニーズが高まっており、ソフトウェア管理の最適化だけではなく、トータルでセキュリティ対策ソリューションを実現できるパートナーを求めていたことも理由だ。

池田淳・エムオーテックス 執行役員営業本部副本部長(以下、池田執行役員)
当社がフレクセラと協業したのは、ソフトウェア資産管理分野に踏み込んだ展開を進めていこうというタイミングに合ったのが理由だ。

最近よく取りざたされている自治体の違法コピー問題などをきっかけに、国内でもソフトウェア資産管理の評価基準を設ける必要性の高まりを受けてSAMAC(ソフトウェア資産管理評価認定協会)が発足した。こうした動きを見て資産管理分野の市場は今後、大きく成長すると予想されたので、ここに注力することになった。

確かにフレクセラと当社を見ると、ソフトウェア資産管理、インベントリの情報収集領域では競合となる。しかし、フレクセラはグローバル市場でソフトウェア管理では圧倒的なシェアを持っている。また、脆弱性のDBを持っており、パッチの自動生成を行うといった、日本よりも一歩進んだソリューションを展開している。国内でIT資産ではトップシェアを持つ当社としてはフレクセラと協業すれば、より充実したソリューションを提供することができると考えた。

――今回の脆弱性管理ソリューションの強みは?

池田執行役員
脆弱性管理ソリューションは、当社の「LanScope Cat」とフレクセラの「Corporate Software Inspector(CSI)」を組み合わせたトータルソリューションとして提供する。このソリューションの特徴は「動作する前にマルウェアを防ぐ」ということと「脆弱性効率化によってマルウェアの侵入を防ぐ」ということだ。マルウェア対策を行うLanScope Catは、米サイランスの人工知能エンジンを搭載しており、非常に高い精度でマルウェアの検知・駆除が可能だ。また、メール開封やウェブサイト閲覧による感染など、感染経路の追跡も実現している。

コートニー・マネージャー
当社のCSIは、脆弱性対策を行うソフトウェアだ。今回の連携ではLanScope Catを導入したPCから取得した資産情報について脆弱性DBで検証を行い、パッチを自動生成して自動で配信する。パッチは5万以上のプログラムに対応しており、配布フローにおける大部分の自動化を実現している。ここに強みがある。

――導入する企業のメリットは。

コートニー・マネージャー
当社とエムオーテックスとのソリューションを利用すれば、アメリカのCIS(Center For Internet Security、国際インターネット・セキュリティ組織)の指標である「効果的なサイバー防御のための重要なセキュリティーコントロール」の20の項目のうち重要項5つを完全にカバーできる。また、サイバーセキュリティにおける脅威の85%を低減することが可能だ。

池田執行役員
セキュリティ市場は今、「ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)」による被害を契機に「ウイルスに感染しない方法はないのか?」といったニーズにシフトしている。

ウイルスに感染しない方法とは、脆弱性対策になる。しかし、これまでの対策ではセキュリティソフトを入れ、常にアップデートをしていくなど手間がかかったり、工数が多くかかったりと、なかなか安全な環境を整えることが難しかった。しかし、脆弱性ソリューションであれば、スムーズに盤石の環境を作ることができる。

その核となるのが、フレクセラのCSIが持つパッジ自動生成と自動配布だ。この機能によって高い安全性が確保できるのはもちろんだが、自動化の機能で、管理やアップデートの工数の削減が可能になる。こうした点は企業などの顧客が求めるセキュリティ環境を実現するとともに担当者の労力削減にも貢献する。これが大きなメリットといえる。

――日本のセキュリティ市場についてどう見ているのか。

コートニー・マネージャー
海外市場から見れば、日本の市場はまだ未成熟な部分がある。日本の企業はソフト利用や管理に多くのコストをかけている。一方で、ソフトのセキュリティ対策については十分とはいえない。だから我々にとってビジネスのチャンスもあると思うし、業界のトップランナーとして啓蒙もしてきたい。

池田執行役員
啓蒙については、私も非常に重要だと思っている。セキュリティについて高い知識を持つ人は、ウイルス対策ソフトが20~30%程度しか機能しないことを知っている。一方で、そのことを知らずにウイルスソフトを導入しているから安心と感じている人は非常に多い。

 

こうした状況で我々が行えるのは、ユーザーがセキュリティのことをいちいち気にする必要がなく、そして労力を使わずにセキュアな環境を維持できるというサービスの提供だ。そのためには、今回の「脆弱性ソリューション」もそうだが、日本のサイバーセキュリティ環境の礎となるサービスの開発にこれからも取り組んでいきたいと思っている。

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