BC Vol.0 ブロックチェーンとはいったい何なのか? 何がすごいのか?

  • 2018/4/5
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「暗号通貨の一種ですか? いいえ、テクノロジーです」

2017年12月にその価格が200万円を超えたと思いきや、ひと月足らずの2018年1月にはいきなり半額以下の90万円台に急降下と、激しい乱高下を見せる仮想通貨ビットコイン。さらに、つい最近では総額580億円相当の仮想通貨NEMが国内取引所コインチェックからこつ然と消えた巨額流出事件も起こり、仮想通貨界隈は何かと目の離せない状態にあります。


しかし、その喧騒とは無縁のように今、仮想通貨の世界から生まれたテクノロジーは、さまざまな分野に波及しようとしています。

「ブロックチェーン」という言葉を最近よくニュースやウェブ、雑誌などで目にするという人も少なくないと思います。ビットコインなどの仮想通貨をイメージする方も多いと思われますが、ブロックチェーンはすでに暗号通貨ばかりで語られるものではありません。

ブロックチェーンは、あらゆる産業の既存ビジネスやシステムに大きな変革をもたらし得ると考えられているテクノロジーです。しかし、大きな期待を集める一方、実際どんな技術なのかについてはまだあまり認識が広まってはいません。そこで、誰もがブロックチェーンの特徴を理解できるよう、できるだけわかりやすく解説していきたいと思います。

「ブロックチェーンは、ビットコインを支えるコア技術として出発した」

序章となる今回は「ブロックチェーンってそもそも何?」という疑問に答えていきます。それを説明するためにまず、「仮想通貨ビットコインの生い立ち」についておさらいしましょう。

ビットコインには特定の開発者はいません。「第三者機関を介さず安全な取引を行える電子キャッシュシステム」というビットコインの趣旨に賛同したさまざまな研究者やプログラマーが有志となりコードを書きつくり上げたものです。そして、そもそもの趣旨を提案したのがサトシ・ナカモト。日本人なのかも、個人なのかも未だ不明の謎の人物ですが、サトシ・ナカモトが2008年に発表した論文「Bitcoin:A Peer-to-Peer Electronic Cash System」がビットコインの誕生の発端になりました。


この論文のなかには、ビットコインを実現させるためのいくつかの要素技術が記されていています。そして、その要素技術を組み合わせたもの、つまりビットコインを実現し流通させる基盤となる技術がブロックチェーンなのです。

「ブロックチェーンには、どのような特徴があるの?」

ブロックチェーンの特徴はビットコインの特徴を見ていけば理解が可能です。

<ビットコインの特徴>

・「データを通貨的に取引できる」

“通貨”という言葉がつくと、どうしても物理的な貨幣をイメージしてしまいがちです。しかし、ビットコインには硬貨も紙幣もありません。ここが、仕組みを理解しづらくしている原因のひとつかと思われます。ビットコインは物理的なお金ではなく、「オンラインでの商取引で通貨的に使えるデータ」です。サトシ・ナカモトの論文のタイトルに「Electronic Cash(電子キャッシュ)」とあります。「キャッシュ」は重要キーワードなのでのちに説明しますが、まずはSuicaなどの電子マネーの残高のようなものと理解しておくとイメージしやすいかと思います。


・「管理主体がいない」

先ほどの、電子マネーの残高のようなものイメージしておくと〜」という内容をいきなり覆してしまいますが、ビットコインはSuicaやPASMO、Edyなどの電子マネーとはまったく異質なものです。ただ、オンライン上にお金の代わりになる残高がありスマホやPCから利用できる点は共通です。では、どこが違うのか? それは「発行・運用企業・機関が存在しない」ことです。

電子マネーは種類ごとに必ず発行や運用を行う企業が存在していますが、このような管理主体はビットコインにはありません。この特徴は電子マネーに加え、いわゆるお金とも異なる点で、円やドル、ユーロなど、世界のお金にもやはり国という管理主体がいます。では、なぜビットコインにはいないのか?いなくて問題ないのか? が気になるところですが、その点についてはのちに詳しく説明するため、ここでは「ビットコインは誰の管理下にも置かれていない」と覚えておきましょう。

・「ダウンタイムが0であり、改ざんもできない」

ダウンタイムは、情シス含めIT系の仕事についている人にとっておなじみだと思います。サーバー負荷やメンテナンス、またはサイバー攻撃でシステムが一時停止してしまう状態のことです。システムである以上、ダウンタイムが0というのは非常に難しいことは実感としてお分かりいただけるかと思います。しかし、ビットコインは、種類は違えどシステムであるはずですが、2009年より現在に至るまでダウンタイムに陥ったことがありません。また、技術的に改ざんすることが不可能と言われています。それゆえ、安心して24時間365日送金が可能なのです。

以上、ビットコインの主な特徴を見てきましたが、これらを実現している基盤技術が、ブロックチェーンなのです。

「お金と同じように取引可能」でありながら、「管理主体不在」で、しかも「ダウンタイムは皆無で改ざんできない」という基盤技術。これらが、ブロックチェーン技術が期待され、話題となっている理由です。

次回からはより踏み込んでその概要や仕組みについて紹介していきたいと思います。ぜひ、ブロックチェーンの魅力や不思議をたっぷりと感じてみてください。

それでは、今後の連載にご期待ください!

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